Infrastructure as Code(IaC)

Infrastructure as Code(IaC)

 AWSにおけるInfrastructure as Code(IaC)は、インフラストラクチャの設定やプロビジョニングをコード化し、ソースコードのように管理・バージョン管理する手法です。IaCは、手動で設定やプロビジョニングを行う従来の方法よりも効率的で迅速なインフラストラクチャの管理を可能にします。

AWSにおけるIaCの実践には、主に以下の2つのアプローチがあります。

  1. スクリプトベースのIaC
     インフラストラクチャの設定やプロビジョニングをスクリプト(例:Bashスクリプト、PowerShellスクリプト)で記述します。このアプローチでは、AWS CLI(Command Line Interface)やSDK(Software Development Kit)を使用してAWSリソースを作成、構成、管理します。スクリプトはソースコードリポジトリに格納され、バージョン管理ツール(例:Git)で管理されます。
  2. ディスクリプション言語ベースのIaC
     インフラストラクチャの設定やプロビジョニングを専用のディスクリプション言語で記述します。AWSでは主にCloudFormationとTerraformが使用されます。これらの言語を使用すると、AWSリソースをテンプレートや設定ファイルとして定義し、インフラストラクチャをコードとして管理します。テンプレートや設定ファイルはバージョン管理され、変更の履歴や再利用性を確保します。

IaCの利点は次の通りです。

  1. 自動化と一貫性
     インフラストラクチャをコードとして扱うことで、手動での設定やプロビジョニングに比べて自動化が容易になります。また、設定がコードとして一貫しているため、開発環境と本番環境の間の差異を最小限に抑えることができます。
  2. スピードと効率
     IaCにより、インフラストラクチャの変更や再作成が迅速に行えます。再現性のある環境のプロビジョニングやスケーリングなども短時間で実現できます。
  3. ドキュメント化と可視性
     インフラストラクチャの設定やプロビジョニングがコードとして記述されているため、インフラストラクチャの設計や構成が明確にドキュメント化されます。変更の履歴もバージョン管理システムで管理されるため、変更のトラッキングや可視性が向上します。
  4. コラボレーションと共有
     IaCにより、複数のチームや開発者がインフラストラクチャの設定やプロビジョニングに共同で取り組むことができます。コードベースの共有とリビジョン管理により、チーム間のコラボレーションが容易になります。

 IaCはAWSのクラウド環境における効率的なインフラストラクチャの管理手法であり、自動化や効率化、可視性の向上などの利点をもたらします。また、変更の追跡や環境の再現性の確保など、インフラストラクチャの信頼性と品質管理を強化します。