APT

APT

 APT(Advanced Persistent Threat)は、高度な技術や知識を持った攻撃者によって、長期間にわたって行われるサイバー攻撃のことを指します。APTは、組織に対して様々な手法で攻撃を行い、機密情報や財務情報などを盗み出すことが目的とされています。ここでは、APTのセキュリティについて詳しく説明します。

  1. APTの攻撃手法

APT攻撃は、組織に対して様々な手法で攻撃を行います。代表的な攻撃手法としては、以下のようなものがあります。

・スピアフィッシング
社員を騙して、悪意のあるリンクや添付ファイルを開かせる手法です。

・ウォーターホール攻撃
 特定の業界や組織が利用するWebサイトを攻撃し、そのサイトを利用する人々に対して悪意のあるプログラムを仕込む手法です。

・マルウェア感染
社員が利用するコンピューターにマルウェアを仕込み、そのコンピューターを通じて情報を収集する手法です。

・サプライチェーン攻撃
組織のサプライチェーンに潜り込み、供給元から悪意のあるプログラムを紛れ込ませる手法です。

  1. APT対策

APT攻撃に対しては、以下のような対策が必要とされます。

・教育・訓練
 スピアフィッシングなどの攻撃は、社員が安易にリンクや添付ファイルを開いてしまうことが原因となることが多いため、社員に対する教育・訓練が必要です。

・脆弱性管理
 APT攻撃は、脆弱性を突いた攻撃が多いため、脆弱性を把握し、定期的なパッチ適用が必要です。

・ログ管理
 APT攻撃を検知するためには、ログ管理が必要です。不正アクセスのログや異常なアクセスのログを取得し、定期的に監視することが重要です。

・セキュリティツールの利用
 ファイアウォールやIPS(Intrusion Prevention System)などのセキュリティツールを利用することで、不正なアクセスやマルウェアの侵入を防止することができます。また、定期的な脆弱性スキャンや侵入テストを実施することで、セキュリティ対策の改善点を把握し、対策を強化することができます。

・セキュリティ意識の醸成 組織全体でセキュリティ意識を醸成することが重要です。組織内で情報共有を行い、不審なアクセスや挙動を発見した場合には早急に報告し、対応することが必要です。

  1. APT攻撃の検知・対応

 APT攻撃は、通常のサイバー攻撃に比べて、攻撃者が長期間にわたって攻撃を行うため、検知が難しいとされています。APT攻撃の検知には、以下のような手法があります。

・異常検知 攻撃者が長期間にわたって攻撃を行うため、攻撃と通常のアクセスの差異を検知することが有効です。例えば、アクセスの頻度や時間帯が異なる場合、特定のデータへのアクセスが多い場合などが挙げられます。

・脅威インテリジェンス APT攻撃に対応するためには、攻撃者の手法やターゲットとなる組織などに関する情報を把握することが必要です。脅威インテリジェンスを活用することで、APT攻撃の動向を把握し、早期に対応することができます。

・SIEM(Security Information and Event Management) ログ管理や脅威インテリジェンスを統合したシステムで、異常なアクセスや挙動を検知し、自動的に警告を発信することができます。

APT攻撃に対する対応には、早期発見と早期対応が重要です。APT攻撃が検知された場合には、以下のような対応が必要とされます。

・被害の範囲の把握 攻撃が行われた範囲や攻撃者によって取られたアクションを把握することが必要です。

・侵入経路の遮断


攻撃者が再度アクセスできないように、侵入経路を遮断する必要があります。

・感染したシステムの隔離 攻撃によって感染したシステムを隔離することで、攻撃の拡散を防止することができます。

・脆弱性の修正 攻撃が行われた原因となった脆弱性を修正することで、同様の攻撃が再度行われることを防止することができます。

・情報共有 攻撃の情報を他の組織や業界団体と共有することで、同様の攻撃が行われた場合に、より迅速かつ効果的な対応が可能となります。

  1. まとめ

 APT攻撃は、長期間にわたって攻撃を行うため、検知が難しく、深刻な被害を引き起こす可能性があります。APT攻撃に対する対策としては、セキュリティ対策の強化や脆弱性の修正、セキュリティ意識の醸成、検知・対応体制の整備などが必要とされます。また、情報共有によって、より迅速かつ効果的な対応が可能となります。