TTL

TTL

 TTL(Time to Live)は、ネットワーク通信における生存期間を表す値です。パケットがネットワーク上を送信される際に、パケットにはTTL値が設定されます。TTL値は、パケットが通過するネットワークデバイス(ルータやスイッチなど)の数をカウントダウンするために使用されます。通常、各デバイスはパケットを受信するとTTL値を1減らし、その値が0になるとパケットは破棄されます。

 TTL値は、パケットが無限にループすることを防止するために非常に重要です。もしTTL値が十分に大きくなければ、パケットがルーターなどのデバイスをループすることになり、ネットワークを混乱させたり、ネットワーク帯域幅を無駄に消費することになります。

 TTL値は、通常はパケットの送信元で設定されます。一般的に、TTL値はIPv4の場合、パケットが通過できる最大のルータ数を表す8ビットの数値で表され、最大値は255です。IPv6の場合、TTL値は16ビットの数値で表されます。

 また、TTL値は、トレースルート(traceroute)などのネットワークトラブルシューティングツールでも使用されます。トレースルートは、宛先に到達するまでにパケットが通過するネットワークデバイスを特定するために使用されます。トレースルートは、パケットを送信する際に、TTL値を1ずつ減らしながら、宛先に到達するまでパケットを送信します。このため、各ネットワークデバイスがパケットを受信するたびに、TTL値が1減少します。パケットが最初に送信されたデバイスに戻ってきたとき、そのデバイスはパケットを破棄します。これにより、トレースルートがパケットが通過したデバイスのリストを生成することができます。