AES-CCMP

AES-CCMP

 AES-CCMP(Counter with CBC-MAC Protocol)は、Wi-Fi Protected Access II(WPA2)プロトコルで使用される暗号化方式です。AES-CCMPは、Advanced Encryption Standard(AES)を暗号化アルゴリズムとして使用し、CBC-MACとCTRモードを組み合わせて、データの機密性と完全性を保護します。

 AES-CCMPは、WPA2において、パケットの暗号化と認証を担当する方式として採用されています。AES-CCMPでは、送信データを128ビットのブロックに分割し、それぞれに対してAES暗号化を行います。AES暗号化には、128ビット、192ビット、または256ビットの鍵を使用することができます。

 CBC-MACは、Cipher Block Chaining-Message Authentication Codeの略で、CBCモードを使用してデータの完全性を確保する技術です。CBC-MACは、データをブロックに分割し、各ブロックを前のブロックの暗号文とXOR演算して暗号化します。最後のブロックの暗号文が認証タグとして使用されます。

 CTRモードは、Counterモードの略で、ストリーム暗号として使用されます。CTRモードでは、固定長のカウンター値と暗号化鍵を組み合わせて、ストリーム暗号を生成します。ストリーム暗号は、平文とXOR演算を行うことで、データの暗号化を実現します。

 AES-CCMPは、WPA2において、軽量で高速な暗号化方式として採用されています。また、AES-CCMPは、データの機密性と完全性を同時に保護することができるため、セキュリティの高い無線LAN通信を実現するために重要な技術用語となっています。


AES-CCMPは、WPA2における暗号化方式として、以下のような特徴を持っています。

  1. 機密性と完全性の保護が同時に行われる
     AES-CCMPは、CBC-MACとCTRモードを組み合わせているため、送信データの機密性と完全性を同時に保護することができます。暗号化と認証が同時に行われるため、攻撃者が暗号化されたデータを改ざんすることは困難になります。
  2. 高速で軽量
     AES-CCMPは、暗号化と認証を同時に行うため、通信のオーバーヘッドが少なく、高速な暗号化が可能です。また、AES暗号化がブロック単位で行われるため、並列処理に適しています。
  3. 強力な暗号化
     AES-CCMPは、AES暗号化を使用しているため、暗号化鍵長が長く、セキュリティが高いです。AES-CCMPは、128ビット、192ビット、または256ビットの鍵を使用することができます。
  4. 安全性の向上
     AES-CCMPは、WPA2において、WEPやTKIPなどの従来の暗号化方式に比べて、セキュリティが高いとされています。WEPやTKIPでは、弱点が発見され、簡単に攻撃を受けることができましたが、AES-CCMPでは、現在のところ安全性が確認されています。

 以上のように、AES-CCMPは、WPA2において、高速で安全な無線LAN通信を実現するための重要な技術用語です。しかし、暗号化方式には常に脆弱性が存在するため、新たな攻撃手法に対して常に注意を払う必要があります。