不連続サブネット問題(RIP)その2

ここでは、「不連続サブネット問題(RIP)その1」で構築したRIPによる、ネットワークを検証していきます。

show ip route

R1ルータで、「show ip route」コマンドを実行します。

●「show ip route」の出力

R1#show ip route
Codes: L - local, C - connected, S - static, R - RIP, M - mobile, B - BGP
       D - EIGRP, EX - EIGRP external, O - OSPF, IA - OSPF inter area
       N1 - OSPF NSSA external type 1, N2 - OSPF NSSA external type 2
       E1 - OSPF external type 1, E2 - OSPF external type 2, E - EGP
       i - IS-IS, L1 - IS-IS level-1, L2 - IS-IS level-2, ia - IS-IS inter area
       * - candidate default, U - per-user static route, o - ODR
       P - periodic downloaded static route

Gateway of last resort is not set

     10.0.0.0/8 is variably subnetted, 2 subnets, 2 masks
C       10.0.0.0/30 is directly connected, Serial0/0/0
L       10.0.0.2/32 is directly connected, Serial0/0/0
     20.0.0.0/8 is variably subnetted, 2 subnets, 2 masks
C       20.0.0.0/30 is directly connected, Serial0/0/1
L       20.0.0.1/32 is directly connected, Serial0/0/1
R    30.0.0.0/8 [120/1] via 10.0.0.1, 00:00:06, Serial0/0/0
                [120/1] via 20.0.0.2, 00:00:24, Serial0/0/1
R    172.16.0.0/16 [120/1] via 10.0.0.1, 00:00:06, Serial0/0/0
                   [120/1] via 20.0.0.2, 00:00:24, Serial0/0/1
R    172.17.0.0/16 [120/1] via 10.0.0.1, 00:00:06, Serial0/0/0
                   [120/1] via 20.0.0.2, 00:00:24, Serial0/0/1

 上のマーカー部分から分かるように、「172.16.0.0/16」、「172.17.0.0/16」ネットワークが、等コストバランシングするようになっています。

その理由は、

・R2ルータから「172.16.0.0」、「172.17.0.0」の経路情報が

・R3ルータから「172.16.0.0」、「172.17.0.0」の経路情報が

 R1ルータに送られることとなります。RIPは、クラスフルルーティングプロトコルです。ルーティングアップデートの情報の中にはサブネットマスクの情報が含まれません。

 そのため、受信した経路情報を、クラスフルなアドレスでしか判断することができません。R1ルータにとって、「172.16.0.0/16」、「172.17.0.0/16」のネットワークは、同じ距離で2つの方向にあると学習してしまうことになります。

degug ip rip

その証拠として、「degug ip rip」コマンドを、R1ルータで実行してみます。

●「degug ip rip」の出力

R1#debug ip rip
RIP protocol debugging is on
R1#RIP: received v1 update from 20.0.0.2 on Serial0/0/1
      30.0.0.0 in 1 hops
      172.16.0.0 in 1 hops
      172.17.0.0 in 1 hops
RIP: received v1 update from 10.0.0.1 on Serial0/0/0
      30.0.0.0 in 1 hops
      172.16.0.0 in 1 hops
      172.17.0.0 in 1 hops
RIP: sending  v1 update to 255.255.255.255 via Serial0/0/0 (10.0.0.2)
RIP: build update entries
      network 20.0.0.0 metric 1
RIP: sending  v1 update to 255.255.255.255 via Serial0/0/1 (20.0.0.1)
RIP: build update entries
      network 10.0.0.0 metric 1

ルーティングアップデートの情報の中にサブネットマスクの情報を含まれていないことが確認できます。

これが、RIPにおける不連続サブネットの問題です。

それでは、VLSMに対応しているRIPv2にすれば、この問題を解決することができるのでしょうか?

 次の「不連続サブネット問題(RIPv2)その1」では、上で紹介したネットワークをRIPv2で構築して検証していきます。

演習ファイルのダウンロード

 ネットワークの構成を Packet Tracer で一から設定していくのは大変かと思います。「ダウンロード」から演習で使用するファイルのダウンロードができます。ファイルは、McAfeeインターネットセキュリティでウイルスチェックをしておりますが、ダウンロードは自己責任でお願いいたします。

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