ARP要求・ARP応答(その2)

ARP要求・ARP応答(その1)」の続きです。

ARP要求を受け取ったコンピュータEは、自分のMACアドレスを知らせるためにARP応答を返します。

 コンピュータEは、宛先MACアドレスをコンピュータAのMACアドレス「00:17:42:5B:33:01」、目標IPアドレスを「192.168.1.1」としたユニキャストをネットワーク内に流します。

コンピュータEは、下のようなARP応答パケットをネットワーク内に流します。

宛先MACアドレス   ・・・ 00:17:42:5B:33:01 ←コンピュータAのMACアドレス
送信元MACアドレス ・・・ 00:17:42:5B:33:05 ←コンピュータEのMACアドレス
目標IPアドレス    ・・・ 192.168.1.1

実際のARP応答パケットの中身は、こちら「ARP要求・ARP応答の中身」を参考にして下さい。

ARP応答は、コンピュータAにユニキャストで送られます。

ARP要求はブロードキャスト、ARP応答はユニキャストで送られることに注意して下さい。

ルータ、コンピュータB~コンピュータDでは

 ARP応答は、ユニキャストです。宛先MACアドレスは、コンピュータAのMACアドレス「00:17:42:5B:33:01」になっています。

 このARP応答はこのネットワーク上のルータ、コンピュータB、コンピュータC、コンピュータDに届きますが、データリンク層レベルで自分宛でないことが分かるので、この時点で破棄します。

 ARP要求では、宛先MACアドレスがブロードキャストアドレスになっており、ネットワーク層レベルでないと破棄できませんでしたが、ユニキャストではデータリンク層レベルで破棄されるため、各端末への負荷は少なくなります。

※ARP応答が、全ての端末に届くと説明しましたが、スイッチに各端末が接続されている場合は、スイッチ内のMACアドレステーブルに、コンピュータAのMACアドレスが学習されているため、コンピュータAにだけ、ARP応答が届きます。

コンピュータAでは

 コンピュータAは、このARP応答を受け取り、コンピュータEのMACアドレスを知ることができます。

 そして、次からの通信に備えて、コンピュータAは、自分の持つARPテーブルに、コンピュータEのIPアドレスとMACアドレスの対応情報を追加します。

 コンピュータAは、次のコンピュータEとの通信は、このARPテーブルを参照することでコンピュータEのMACアドレスを知ることができるので、次の通信からコンピュータEへのARP要求は、行いません。

※ARPテーブルは、定期的にリフレッシュされるので、しばらく通信がない場合には、ARP要求が行われます。

次の「ARP要求・ARP応答の中身」では、ARP要求・ARP応答の中身について解説していきます。

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