このページで解説している内容は、以下の YouTube 動画の解説で見ることができます。
ネットワーク構成
ネットワークの構成は、下図のとおりです。

演習ファイルのダウンロード
ネットワークの構成を Packet Tracer で一から設定していくのは大変かと思います。「ダウンロード」から演習で使用するファイルのダウンロードができます。ファイルは、McAfeeインターネットセキュリティでウイルスチェックをしておりますが、ダウンロードは自己責任でお願いいたします。
Simulation モード(MACアドレステーブル)
ここでは、スイッチがどのようにMACアドレスを学習していくのかを、Packet Tracer の Simulation モードを使って解説していきます。
具体的には、スイッチのMACアドレステーブルの中身を確認していきます。
PC と Switch の MAC アドレスアドレスは、下表のようになっています。
デバイス | Swich接続 インターフェイス | IPアドレス | MACアドレス |
Switch | ー | 192.168.1.10 | 0030.F24E.6060 |
PC1 | f0/1 | 192.168.1.1 | 0001.C9D1.8982 |
PC2 | f0/2 | 192.168.1.2 | 00E0.F7E5.D7CE |
PC3 | f0/3 | 192.168.1.3 | 0001.C750.B0CB |
PC4 | f0/4 | 192.168.1.4 | 0002.165C.1221 |
PC5 | f0/5 | 192.168.1.5 | 0002.16D8.07C5 |
●PC1のARPテーブルを表示します。
PC1のコマンドプロンプトから、以下のようにコマンドを実行します。
C:¥>arp -a

ARPテーブルは、空です。
●SwitchのMACアドレステーブルを表示します。
Switchで、「show mac-address-table」コマンドを実行します。
Switch#show mac-address-table
Mac Address Table
-------------------------------------------
Vlan Mac Address Type Ports
---- ----------- -------- -----
●シミュレーションモードに切り替えます。
・シミュレーションボタンをクリックします。

・「Show All/None」をクリックして、監視するプロトコルのチェックを、すべて外します。
・「Edit Filters」ボタンをクリックして、「ARP」と「ICMP」にチェックを入れます。

・PC1から、PC2へのpingを実行します。
C:¥>ping 192.168.1.2
ARPとICMPのパケットが表示されます。

・①と②をクリックします。
※封筒の色は、異なるかもしれません。

①は、Message Type8であることから、ICMP Echo要求のパケットであることが分かります。このICMP Echo要求のパケットをPC2へ送りたいところですが、PC2のMACアドレスが分からないため、Echo要求を送ることができません。そこで、ARP要求を送信することになります。
②は、ARP要求のパケットです。宛先MACアドレスが、FFFF.FFFF.FFFFのブロードキャストとなっています。PC2のMACアドレスが分からないため、ブロードキャストで、ARP要求パケットを準備して送信します。
・「Play Controls」の「▶|」ボタンをクリックします。

時間が1ステップ進みます。

・SwichのMACアドレステーブルを表示します。
Switch#show mac-address-table
Mac Address Table
-------------------------------------------
Vlan Mac Address Type Ports
---- ----------- -------- -----
1 0001.c9d1.8982 DYNAMIC Fa0/1
インターフェイス | MACアドレス |
f0/1 | 0001.c9d1.8982 |
f0/2 | |
f0/3 | |
f0/4 | |
f0/5 |
f0/1に「0001.c9d1.8982」のデバイスが繋がっていることを学習しています。このMACアドレスは、PC1のMACアドレスです。スイッチは、ARP要求の送信元MACアドレスを見て、f01 に PC1 が繋がっていることを学習します。
●時間を1ステップ進めます。
・「Play Controls」の「▶|」ボタンをクリックします。

宛先MACアドレスが、FFFF.FFFF.FFFFのブロードキャストであるため、PC2~PC5のすべてのPCにARP要求が届きます。
・①の封筒をクリックします。


PC2は、ARP応答を返信します。送信元のMACアドレスは、PC2のMACアドレスがセットされています。PC2以外のPC3、PC4、PC5は、自分宛のパケットではないため、パケットを破棄します。
●時間を1ステップ進めます。
・「Play Controls」の「▶|」ボタンをクリックします。


・SwichのMACアドレステーブルを表示します。
Switch#show mac-address-table
Mac Address Table
-------------------------------------------
Vlan Mac Address Type Ports
---- ----------- -------- -----
1 0001.c9d1.8982 DYNAMIC Fa0/1
1 00e0.f7e5.d7ce DYNAMIC Fa0/2
インターフェイス | MACアドレス |
f0/1 | 0001.c9d1.8982 |
f0/2 | 00e0.f7e5.d7ce |
f0/3 | |
f0/4 | |
f0/5 |
f0/2に「00e0.f7e5.d7ce」のデバイスが繋がっていることを学習しています。このMACアドレスは、PC2のMACアドレスです。スイッチは、ARP応答の送信元MACアドレスを見て、f02 に PC2 が繋がっていることを学習します。
●時間を1ステップ進めます。
・「Play Controls」の「▶|」ボタンをクリックします。

PC1にPC2からのARP応答が届きます。

・①のICMP Echo要求の封筒をクリックします。
PC2の宛先MACアドレスが、セットされていることが確認できます。

ARP要求とARP応答の動作をトレースしていく中で、スイッチがどのようにデバイスのMACアドレスを学習していくのかが、理解できたかと思います。
関連コンテンツ
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Simulation モード(MACアドレステーブル)その2