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演習ファイルのダウンロード

 ネットワークの構成を Packet Tracer で一から設定していくのは大変かと思います。「ダウンロード」から演習で使用するファイルのダウンロードができます。ファイルは、McAfeeインターネットセキュリティでウイルスチェックをしておりますが、ダウンロードは自己責任でお願いいたします。

IPv6の設定(リンクローカルアドレス)その1

 ここでは、IPv6 リンクローカルユニキャストアドレスをルータのインターフェイスに自動割り当てを行っていきます。

ネットワークの構成は、下図のとおりです。

 ルータにIPv6アドレスを設定する前に、IPv6ルーティングを有効にしておく必要があります。IPv6ルーティングを有効にするには、グローバルコンフィグレーションモードで「ipv6 unicast-routing」コマンドを入力します。

Router(config)#ipv6 unicast-routing

このコマンドを入力することでIPv6パケットのルーティングが行えるようになります。

 リンクローカルユニキャストアドレスを自動で設定するには、インターフェイス設定モードで「ipv6 enable」コマンドを実行するだけです。

Router(config-if)#ipv6 enable

すべてのIPv6インターフェイスは、必ずリンクローカルユニキャストアドレスを持つ必要があります。

 リンクローカルユニキャストアドレスは、「FE80」で始まるアドレスです。「ipv6 enable」コマンドで、自動で生成する場合には、「EUI-64」形式で、インターフェイスのMACアドレスをベースにリンクローカルユニキャストアドレスが生成されます。

「1111 11110 10」というビットパターン、16進表記で表すと「fe80:://10」で始まります。

 それでは、ルータに「ipv6 enable」コマンドを入力して、リンクローカルユニキャストアドレスを自動で生成させていきます。

 IPv6パケットのルーティングを有効にするために、「ipv6 unicast-routing」コマンドを入力し、G0/0で、「ipv6 enable」コマンドを入力します。

R1(config)#ipv6 unicast-routing
R1(config)#int g0/0
R1(config-if)#ipv6 enable

これで、リンクローカルユニキャストアドレスが自動的に設定されます。

次のコマンドを入力して、G0/0 のMACアドレスを調べます。

R1#show int g0/0

R1#show int g0/0
GigabitEthernet0/0 is administratively down, line protocol is down (disabled)
  Hardware is CN Gigabit Ethernet, address is 0060.4732.0801 (bia 0060.4732.0801)
  MTU 1500 bytes, BW 1000000 Kbit, DLY 10 usec,
     reliability 255/255, txload 1/255, rxload 1/255
  Encapsulation ARPA, loopback not set
  Keepalive set (10 sec)
  Full-duplex, 100Mb/s, media type is RJ45
  output flow-control is unsupported, input flow-control is unsupported
  ARP type: ARPA, ARP Timeout 04:00:00, 
  Last input 00:00:08, output 00:00:05, output hang never
  Last clearing of "show interface" counters never
  Input queue: 0/75/0 (size/max/drops); Total output drops: 0
  Queueing strategy: fifo
  Output queue :0/40 (size/max)
  5 minute input rate 0 bits/sec, 0 packets/sec
  5 minute output rate 0 bits/sec, 0 packets/sec
     0 packets input, 0 bytes, 0 no buffer
     Received 0 broadcasts, 0 runts, 0 giants, 0 throttles
     0 input errors, 0 CRC, 0 frame, 0 overrun, 0 ignored, 0 abort
     0 watchdog, 1017 multicast, 0 pause input
     0 input packets with dribble condition detected
     0 packets output, 0 bytes, 0 underruns
     0 output errors, 0 collisions, 2 interface resets
     0 unknown protocol drops
     0 babbles, 0 late collision, 0 deferred
     0 lost carrier, 0 no carrier
     0 output buffer failures, 0 output buffers swapped out

G0/0 のMACアドレスは、「0060.4732.0801」になっています。

 ルータの G0/0 のMACアドレスが、「0060.4732.0801」の場合のリンクローカルユニキャストアドレスをEUI-64形式で自動生成した場合は、次のようになります。

MACアドレス : 0060.4732.0801

MACアドレス6バイトの、上位3バイトと下位3バイトをわけ、その間に「FFFE」を入れます。

「00-60-47」+「FF-FE」+「32-08-01」

上位1バイト目の下位2ビット目(U/Lビット)を反転します。

「00」 → 「02」

インターフェイスIDは、

「02-60-47」+「FF-FE」+「32-08-01」

になります。

リンクローカルユニキャストアドレスの上位64ビットは、「FE80::」ですから

「FE80」+「02-60-47」+「FF-FE」+「32-08-01」

リンクローカルユニキャストアドレスは、

FE80::260:47FF:FE32:801

になります。

 それでは、G0/0 のリンクローカルユニキャストアドレスが、「FE80::260:47FF:FE32:801」になっているか、確認します。

次のコマンドを実行します。

R1#show ipv6 int g0/0

R1#show ipv6 int g0/0
GigabitEthernet0/0 is administratively down, line protocol is down
  IPv6 is tentative, link-local address is FE80::260:47FF:FE32:801 [TEN]
  No Virtual link-local address(es):
  No global unicast address is configured
  Joined group address(es):
    FF02::1
  MTU is 1500 bytes
  ICMP error messages limited to one every 100 milliseconds
  ICMP redirects are enabled
  ICMP unreachables are sent
  ND DAD is enabled, number of DAD attempts: 1
  ND reachable time is 30000 milliseconds
  ND advertised reachable time is 0 (unspecified)
  ND advertised retransmit interval is 0 (unspecified)
  ND router advertisements are sent every 200 seconds
  ND router advertisements live for 1800 seconds
  ND advertised default router preference is Medium
  Hosts use stateless autoconfig for addresses.

 リンクローカルユニキャストアドレスが、「FE80::260:47FF:FE32:801」になっていることが確認できます。

PC1とR1ルータとの疎通確認

・R1ルータの G0/0 を「no shutdown」します。

R1(config)#int g0/0
R1(config-if)#no shutdown

・PC1のコマンドプロンプトを表示して、R1ルータのG0/0のリンクローカルユニキャストアドレス宛に ping を実行します。

C:>ping FE80::260:47FF:FE32:801

 次の「IPv6の設定(リンクローカルアドレス)その2」では、ルータに自動で設定したリンクローカルユニキャストアドレスを使って、実際にネットワークを構築します。

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