VLSMの分割における注意点

 VLSMでは、「サブネットのサブネット」、「サブネットのサブネット」のサブネット、さらにまた、そのサブネットと、どんどん分割してゆくことができます。ただし、「/30」までで、分割をやめる必要があります。

なぜ、「/30」までで、分割をやめる必要があるのかを図を使って解説していきます。

「192.168.1.0/24」の分割を例に解説します。

「192.168.1.0/24」を4つにサブネット分割します。

分割してできた「192.168.1.192/26」をさらに8分割します。

そして、分割してできた「192.168.1.248/29」をさらに4分割します。

すると、「/31」サブネットが4つ出来上がりますが、このサブネットは利用できません。

 「/31」サブネットの「192.168.1.248/31」は、「192.168.1.248」~「192.168.1.249」の2つのみで構成されることになります。

 248(10進数) =  11|111|00| (2進数)
 249(10進数) =  11|111|00| (2進数)

 ホストビットが1ビットしか残らないため、「/31」サブネットでは、ホストビットが全て0のアドレスと、全て1のアドレスのみで構成されることになってしまうのです。

「/31」サブネットには、有効なホストアドレスがないことになります。

上記の理由から、VLSMにおけるサブネット分割は、「/30」までの分割に留めておく必要があります。

しかし、この場合も問題がないわけではありません。

例えば、「192.168.1.0/24」を4つにサブネット分割します。

分割してできた「192.168.1.192/26」をさらに4分割します。

そして、分割してできた「192.168.1.240/28」をさらに4分割します。

すると、「/30」サブネットが4つ出来上がります。

 その中の例えば、「192.168.1.240/30」は、「192.168.1.240」~「192.168.1.243」の4つで構成されることになります。

 240(10進数) =  11|11|00|00 (2進数)
 241(10進数) =  11|11|00|01 (2進数)
 242(10進数) =  11|11|00|10 (2進数)
 243(10進数) =  11|11|00|11 (2進数)

 ホストビットが2ビットしか残らないため、「/30」はサブネットでは、ホストビットが全て0のアドレスと、全て1のアドレスを除くと2つのアドレスしか使用することができません。

つまり、「/30」サブネットでは、ホストアドレスとして利用できるアドレスの半分を失ってしまうこととなります。

 もし仮に、「192.168.1.0/24」を全て「/30」のサブネットで分割した場合半分の128個のIPアドレスがホストアドレスとして利用できないことになります。

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