AS間のルーティング(その2)

AS間のルーティング(その1)」の続きです。ここでは、AS間のルーティングをもう少し具体的に解説します。

 各AS(自律システム)は、他のASに対して、自ASに到達するための経路情報などを通知する必要があります。そこで、AS境界ルータ上で動作する EGP を通して、他のAS間で到達可能性情報を相互に交換します。

それでは、パケットがインターネット上の複数のASを経て、宛先に到達する流れを下図を使って解説します。

パケットは、複数の手順を経てインターネット上を誘導されます。

①発信元ホストが、別のAS上のリモートホスト宛にパケットを送信します。

②パケットの宛先は、自AS内には存在しないので、最終的に、自ASのエッジにある境界ルータに到達します。境界ルータは、接続しているASについて保存しているデータベースから、最適なものを選択し、隣接するネクストホップのASへパケットを誘導します。

③パケットは隣接するASの境界ルータに到着します。そこで、宛先が自AS内にあるかどうかを判断します。自AS内になければ、隣接するネクストホップのASへパケットを誘導することになりますが、自AS内に宛先があるので、ルーティングテーブル上にあるネクストホップのインテリアルータにパケットを誘導します。

※ここでは、図のサンプルネットワークが小さいため、すぐに宛先のASに到着していますが、実際には、②③の処理が繰り返されます。

④その後、パケットは、AS内の OSPF などの AS内で設定されている IGP のルールに従って、自AS内部のネクストホップを誘導して、最終的に宛先ホストに到着します。

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