このページで解説している内容は、以下の YouTube 動画の解説で見ることができます。

演習ファイルのダウンロード

 ネットワークの構成を Packet Tracer で一から設定していくのは大変かと思います。「ダウンロード」から演習で使用するファイルのダウンロードができます。ファイルは、McAfee インターネットセキュリティでウイルスチェックをしておりますが、ダウンロードは自己責任でお願いいたします。

BGPシナリオ演習1(経路流入による過負荷を防ぐ)

 Packet Tracer では、iBGPを使用することができないため、少し強引ですが、Packet Tracer のできる範囲でシナリオ演習を作成してみました。 以下のシナリオを読んで、シナリオ演習に挑戦してみませんか。

シナリオ:

 今日のインターネットで最も一般的に使用されている EGPは、BGP です。非常に多くの自律システムで使用されています。インターネットのルーティングを実現するためには、インターネット上の大量の経路情報を扱う必要があります。そのため、BGP では、大量の経路情報を扱います。

 したがって、BGPを扱うルータには、それなりのリソースが求められます。ルータのCPUやメモリなどが十分でなければ、ルータは過負荷状態となってしまいます。

 インターネット上の経路は、数十万、数百万ルート?正しい数は分かりませんが、とにかく膨大な経路があります。自社ルータでルーティングプロトコルにBGPを採用した場合、どうなるでしょうか。

 BGPを採用したことにより、たちまち、大量の経路情報がルータに流入してくることになります。ルータは過負荷状態となり暴走してしまうでしょう。

 下のネットワーク構成図を見て下さい。ISP1、ISP2 では BGP を使用しています。ISP1 に接続する企業AのCorpAルータに BGP の大量の経路情報が流入した場合を考えてみます。

 企業AのCorpAルータは、企業A内のトラフィックを処理できる能力があれば良いため、企業Aは、インターネット上のルーティングに耐えうる性能を持ったルータをわざわざ用意する必要はありません。

 そこそこの性能のCorpAルータに ISP1 から大量の BGP の経路情報が流入した場合、瞬く間に、CorpAルータは過負荷状態となり暴走してしまうかもしれません。そもそも企業AのCorpAルータは、インターネット上の大量の経路情報を扱ったり、インターネット上に流れている大量のトラフィックを処理しなければならない義務はありません。

そこで、企業AのCorpAルータには、BGP の設定を行わず、ISP1へのデフォルトルートを設定していきます。

それでは、下図のネットワークをBGPで構築していきます。