このページで解説している内容は、以下の YouTube 動画の解説で見ることができます。

演習ファイルのダウンロード

 ファイルは Packet tracer Version 8.2.1 で作成しています。古いバージョンの Packet Tracer では、ファイルを開くことができませんので、最新の Packet Tracer を準備してください。
 ネットワークの構成を Packet Tracer で一から設定していくのは大変かと思います。「ダウンロード」から演習で使用するファイルのダウンロードができます。ファイルは、ウイルスバスターでウイルスチェックをしておりますが、ダウンロードは自己責任でお願いいたします。

IP電話⑥(telephoneyサービス設定)

最後に、各IP電話に対して配布する設定情報を設定していきます。

IP電話への設定情報は「telephony-service」で指定します。

ネットワークの構成は下図のとおりです。

telephony-serviceの設定

R2811ルータに以下の設定をします。

R2811(config)#telephony-service
R2811(config-telephony)#max-ephones 8
R2811(config-telephony)#max-dn 8
R2811(config-telephony)#ip source-address 192.168.20.254 port 2000
R2811(config-telephony)#auto assign 1 to 8
R2811(config-telephony)#ephone-dn 1
R2811(config-ephone-dn)#number 111
R2811(config-ephone-dn)#ephone-dn 2
R2811(config-ephone-dn)#number 222
R2811(config-ephone-dn)#ephone-dn 3
R2811(config-ephone-dn)#number 333
R2811(config-ephone-dn)#ephone-dn 4
R2811(config-ephone-dn)#number 444
R2811(config-ephone-dn)#ephone-dn 5
R2811(config-ephone-dn)#number 555
R2811(config-ephone-dn)#ephone-dn 6
R2811(config-ephone-dn)#number 666
R2811(config-ephone-dn)#ephone-dn 7
R2811(config-ephone-dn)#number 777
R2811(config-ephone-dn)#ephone-dn 8
R2811(config-ephone-dn)#number 888
R2811(config-ephone-dn)#end
R2811#copy run start

上記設定内容に関して、IP電話に関するコマンドについて解説します。

telephony-service

テレフォニーコンフィギュレーションモードに入ります。
このモードで、IP電話に必要な情報を設定していきます。

max-ephones 8

ルータで扱うIP電話の台数を指定します。

Packet Tracerでは、「1~42」台を指定できるようです。

R2811(config-telephony)#max-ephones ?
<1-42> Maximum phones to support

max-dn 8

ルータで扱う内線番号の最大数を指定します。

Packet Tracerでは、「1~144」台を指定できるようです。

R2811(config-telephony)#max-dn ?
<1-144> Maximum directory numbers supported

ip source-address 192.168.20.254 port 2000

ルータがIP電話に対して使用するIPアドレスとポート番号です。

 ポート番号の2000は、SCCP(Skinny Call Control Protocol)というCiscoのIP電話制御に使われるポート番号です。このポート番号と、IP電話から通信できる、ルータのIPアドレスを指定します

ポート番号には「2000~9999」を指定できるようですが、ここでは、「2000」を指定しています。

R2811(config-telephony)#ip source-address 192.168.20.254 port ?
<2000-9999> Specify the port: 2000 - 9999

auto assign 1 to 8

「ehone-dn」で定義した番号のうち自動で払い出しを行う番号の範囲を指定します。

ここでは、すべてのIP電話に対して自動で払い出しを行うため「1 to 8」を指定しています。

ephone-dn 1

 IP電話の識別番号です。「ephone-dn」コマンドで指定しますが、「?」でコマンドが使用できるか確認しても一覧にはありません。

どうやら、隠しコマンドになっているようですね。

R2811(config-telephony)#?
  auto             Define dn range for auto assignment
  auto-reg-ephone  Enable Ephone Auto-Registration
  create           create cnf for ethernet phone
  exit             Exit from telephony config mode
  ip               Define IP address and port for Telephony-Service/Fallback
  keepalive        Define keepalive timeout period to unregister IP phones
  max-dn           Maximum directory numbers supported
  max-ephones      Define max number of IP phones
  no               Negate or set default values of a command

number 111

直前で設定した「ehone-dn 1」に対応した内戦番号111を指定します。

「ephone-dn」と「number」は、IP電話の台数分を設定します。

IP電話の確認

IP電話のディスプレイを確認します。

IP Phone1の「GUI」タブをクリックします。

内線番号「666」が割り当てられていることが確認できます。

 この内線番号は、ルータから自動的に割り当てられるようにしているため、「666」でない場合もあります。


これで、すべての設定は完了しました。

引き続き「IP電話⑦(IP電話の使い方)」でIP電話の使い方について解説します。

関連コンテンツ