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演習ファイルのダウンロード

 ファイルは Packet tracer Version 8.2.1 で作成しています。古いバージョンの Packet Tracer では、ファイルを開くことができませんので、最新の Packet Tracer を準備してください。
 ネットワークの構成を Packet Tracer で一から設定していくのは大変かと思います。「ダウンロード」から演習で使用するファイルのダウンロードができます。ファイルは、ウイルスバスターでウイルスチェックをしておりますが、ダウンロードは自己責任でお願いいたします。

IP電話⑤(DHCPの設定)

ここでは、DHCPの設定を行います。

 IP電話をクリックして、「GUI」タブなどを確認しても、どうやら、Packet TracerのIP電話にIPアドレスを設定できそうなところがありません。

IP電話にIPアドレスを割り当てる手段がないわけではありません。

DHCPサーバからIP電話にIPアドレスを払い出せばよいのです。

DHCPサーバを用意するには、以下の2つの手段があります。

・①DHCPサーバを用意して、ルータに「helper-address」を設定する。
・②ルータにDHCP機能を設定する。

 ここでは、②の「ルータにDHCP機能を設定する」方法でIP電話に対してIPアドレスを割り当てていきます。

 「Data」VLAN上にある各PCには、手動でIPアドレスを割り当て、「Voice」VLAN上にあるIP電話に対してのみDHCPサーバ(R2811ルータ)からIPアドレスを割り当てることにします。

今回は、4つの部署の「Voice」VLAN用にDHCPプールを4つ設定します。

DHCPのプールの設定は下表にように行います。

適用場所プール名ネットワークアドレスデフォルトゲートウェイoption 150
総務部Voice20192.168.20.0/24192.168.20.254/24192.168.20.254/24
情報システム部Voice40192.168.40.0/24192.168.40.254/24192.168.40.254/24
広報部Voice60192.168.60.0/24192.168.60.254/24192.168.60.254/24
営業部Voice80192.168.80.0/24192.168.80.254/24192.168.80.254/24
DHCPプール

DHCPのコンフィグ

IP電話に対しては以下の設定が必要になります。

Router(config-dhcp)#option 150 ip [ ルータのIPアドレス ]

 この設定を行うことで、IP電話に対して自分自身の設定情報をどこから取得すればよいのかを指示することができます。IP電話がこの指示をDHCPサーバから受け取ることで、指定されたIPアドレスからIP電話固有の情報を受け取るようになります。

 ちなみに、optionで「43」を指定するとCisco Aironet lightweight access pointsにWLC(Wireless LAN Controller)のIPアドレスを通知することができます。

R2811ルータの設定を行う前に、IP電話のディスプレイを確認しておきます。

IP Phone1の「GUI」タブをクリックします。

「Configuring IP」と表示されています。これは、IPアドレスが設定中であることを意味しています。


R2811(config)#ip dhcp excluded-address 192.168.20.254
R2811(config)#ip dhcp excluded-address 192.168.40.254
R2811(config)#ip dhcp excluded-address 192.168.60.254
R2811(config)#ip dhcp excluded-address 192.168.80.254

R2811(config)#ip dhcp pool Voice20
R2811(config-dhcp)#network 192.168.20.0 255.255.255.0
R2811(config-dhcp)#default-router 192.168.20.254
R2811(config-dhcp)#option 150 ip 192.168.20.254

R2811(config-dhcp)#ip dhcp pool Voice40
R2811(config-dhcp)#network 192.168.40.0 255.255.255.0
R2811(config-dhcp)#default-router 192.168.40.254
R2811(config-dhcp)#option 150 ip 192.168.40.254

R2811(config-dhcp)#ip dhcp pool Voice60
R2811(config-dhcp)#network 192.168.60.0 255.255.255.0
R2811(config-dhcp)#default-router 192.168.60.254
R2811(config-dhcp)#option 150 ip 192.168.60.254

R2811(config-dhcp)#ip dhcp pool Voice80
R2811(config-dhcp)#network 192.168.80.0 255.255.255.0
R2811(config-dhcp)#default-router 192.168.80.254
R2811(config-dhcp)#option 150 ip 192.168.80.254

R2811(config-dhcp)#end
R2811#copy run start

ここで、IP電話にIPアドレスが割り当てられたかどうかを確認します。

IP Phone1にマウスカーソルを合わせます。

 IPアドレスが割り当てられていることが確認できます。他のIP Phoneも同様にIPアドレスが割り当てられています。

再度、IP電話のディスプレイを確認しておきます。

IP Phone1の「GUI」タブをクリックします。

 「Configuring CM List」と表示されています。IP電話には、IPアドレスの設定とtelephony-serviceの設定の両方が必要で、まだ、telephony-serviceの設定を行っていないことを意味しています。


これで、DHCPの設定は終わりです。

 引き続き「IP電話⑥(telephoneyサービス設定)」でルータにtelephony-serviceの設定を行っていきます。

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