名前付き拡張IPアクセスリスト

ここでは、「名前付き拡張IPアクセスリスト」を解説します。

IOSバージョン11.2以降では、名前付きアクセスリスを作成することができます。

 IOSバージョン12.0より前は、拡張IPアクセスリストでは、100個までという制約があり、その数を超えてリストを作成しようとする場合に、名前付きアクセスリストを使用する必要がありました。

 ところが、IOSバージョン12.0以降では、十分すぎるぐらいのアクセスリストを作成できるようになっています。名前付きアクセスリストは、よりたくさんのアクセスリストを作成するためのものと言うより、アクセスリストに名前を付けることにより、何の処理を行うのか明確にする意味合いの方の方が強くなってきていると思います。

種類番号の範囲
標準IPアクセスリスト1~99
拡張IPアクセスリスト100~199

名前付き拡張IPアクセスリスト

名前付き拡張IPアクセスリストを作成する時は、「ip access-list extended」コマンドを利用します。

「ip access-list extended」コマンドを入力すると、プロンプトが「config-ext-nacl」に変わります。

Router(config)#ip access-list extended {番号 | 名前}
Router(config-ext-nacl)#{permit | deny} {プロトコル} {送信元IP} {ワイルドカードマスク} {宛先IP} {ワイルドカードマスク} [オプション]

※番号は、100~199までの値を指定することもできます。

 プロンプトが「Router(config-ext-nacl)#」と表示されたら、拡張IPアクセスリストの「permit」、もしくは、「deny」からの構文で入力します。拡張アクセスリストの入力を止める時は、「exit」で抜けます。

 拡張IPアクセスリストと同様、リストの最後には、暗黙の「deny ip any any」が追加されることを忘れないで下さい。

●名前付き拡張IPアクセスリストの入力例

Router(config)#ip access-list extended sales-filter
Router(config-ext-nacl)#deny tcp 192.168.1.0 0.0.0.255 host 192.168.2.2 eq
$2.168.1.0 0.0.0.255 host 192.168.2.2 eq www
Router(config-ext-nacl)#permit ip any any

●「show running-config」実行時のアクセスリスト部分

「show running-config」で確認すると以下のように出力されます。

!
ip access-list extended sales-filter
deny tcp 192.168.1.0 0.0.0.255 host 192.168.2.2 eq www
permit ip any any
!

名前付き拡張IPアクセスリストの適用

名前付き拡張IPアクセスリストをインターフェイスに適用するには、以下のコマンドを使用します。

Router(config-if)#ip access-group {番号 | 名前} {in | out}

注意

  • 名前付き拡張アクセスリストは、「access-class」(仮想回線)には、適用できないので注意して下さい。
  • 名前付きアクセスリストの場合、指定したリストを削除することはできますが、リストの順番を変更したり、後から最後尾以外にリストを追加することができません。

 次の「ACL アクセスクラス(access-class)」では、仮想回線(Telnet)のアクセス制限を行うアクセスリストについて解説します。