このページで解説している内容は、以下の YouTube 動画の解説で見ることができます。

ネットワーク構成

ネットワークの構成は、下図のとおりです。

演習ファイルのダウンロード

 ネットワークの構成を Packet Tracer で一から設定していくのは大変かと思います。「ダウンロード」から演習で使用するファイルのダウンロードができます。ファイルは、McAfeeインターネットセキュリティでウイルスチェックをしておりますが、ダウンロードは自己責任でお願いいたします。

スパニングツリー設定⑤(PortFast)

 ネットワーク構成は、「スパニングツリー設定④(スイッチ3台構成)」で構築したものと同じものを使用します。

各スイッチを配線し、電源をいれてしばらく待つと、以下のように各スイッチは収束します。

Switch_Bの「f0/3」には、PC1が接続されています。

Switch_Cの「f0/3」には、PC2が接続されています。

 ネットワークがコンバージェンスしてから、PC1からPC2へPingが届くことを確認します。PC2をつなげているSwitch_Cの「f0/3」ポートに差し込んでいるケーブルを抜いて、また接続します。

すると、なかなかポートが有効になりません。しばらくの間、「f0/3」ポートのリンクライトはオレンジになったままです。実機の場合は、オレンジ色のLEDが点灯します。

この間、PC1からPC2へはPingは、失敗します。

 しばらくの間、待つと「f0/3」ポートのリンクライトは、オレンジ色から緑色に変わります。実機の場合ではLEDランプは、橙色から緑色に変わります。

「f0/3」ポートのリンクライトが緑色に変わったら、PC1からPC2へのPingは成功するようになります。

いったい、こんなに待たされて何が行われているのでしょうか。

Swtich_Cのインターフェイスの状態を「show spanning-tree」コマンドを使って確認してみます。

Switch_C#show spanning-tree int f0/3

Switch_Cの「f0/3」ポートを差し込んだ直後に、コマンドを実行します。

Switch_B#show spanning-tree int f0/3
Vlan             Role Sts Cost      Prio.Nbr Type
---------------- ---- --- --------- -------- --------------------------------
VLAN0001         Desg LSN 19        128.3     P2p

しばらく待ってから、再びコマンドを実行します。

Switch_B#show spanning-tree int f0/3
Vlan             Role Sts Cost      Prio.Nbr Type
---------------- ---- --- --------- -------- --------------------------------
VLAN0001         Desg LRN 19        128.3     P2p

しばらく待ってから、再びコマンドを実行します。

Switch_B#show spanning-tree int f0/3
Vlan             Role Sts Cost      Prio.Nbr Type
---------------- ---- --- --------- -------- --------------------------------
VLAN0001         Desg FWD 19        128.3     P2p

スパニングツリーのポートの状態遷移

 スパニングツリーでは、下のように5つの状態を移行するので、最大で50秒(20秒+15秒+15秒)の通信断が発生します。

・Disabled(無効)
  ↓(ポートは管理上シャットダウンされています)
・Blocking
  ↓(最大経過時間20秒)
・Listening
  ↓(転送遅延15秒)
・Learning
  ↓(転送遅延15秒)
・Forwarding

PCなどのエンド端末は、頻繁に再起動を行います。

再起動の度に、

ブロッキング → リスニング → ラーニング → フォワーディング

の処理が行われたのでは、ネットワークがなかなか安定しないことになりかねません。

 そこで、PortFastという機能を使うと、ブロッキング状態からフォワーディング状態へ即座に移行させることが可能です。

PortFastの設定

PortFast機能は、Cisco独自の機能で、PCなどのエンドデバイスを接続するポートに設定できます。

 PortFastを設定するには、インターフェイスコンフィギュレーションモードで、「spanning-tree portfast」コマンドを使用します。

Switch(config-if)#spanning-tree portfast

※PortFastが設定できるのは、アクセスポートだけです。トランクポートでは、設定できないので注意して下さい。

Switch_B(config)#int f0/3
Switch_B(config-if)#spanning-tree portfast 
%Warning: portfast should only be enabled on ports connected to a single
host. Connecting hubs, concentrators, switches, bridges, etc... to this
interface  when portfast is enabled, can cause temporary bridging loops.
Use with CAUTION

%Portfast has been configured on FastEthernet0/3 but will only
have effect when the interface is in a non-trunking mode.

 Switch_Cの「f0/3」ポートにPortFastの設定を行ったら、「f0/3」ポートに差し込んでいるケーブルを抜いて、また接続します。

「f0/3」ポートのリンクライトはオレンジ色から、実機であればLEDランプがオレンジ色から

直ぐに「f0/3」ポートのリンクライトは、緑色に、実機であればLEDランプが緑色に変わります。

差し込むと同時ぐらいに、LEDランプは、橙色から緑色に変わります。