ヘルプ機能とコマンド補完機能(第2版)
ヘルプ機能については、以下のリンク先でも解説しています。
→ ヘルプ機能とコマンド補完機能
ここでは、別の切り口で「ヘルプ機能とコマンド補完機能」について解説していきます。
このページで解説している内容は、以下のYoutube動画の解説で見ることができます。
IOSコマンドを全て覚えるのは大変です。
各コマンドには、様々なオプションが指定可能で、このオプションまで覚えようと思うと気の遠い話になってしまいます。
しかし、Cisco IOSでは、ヘルプ機能が充実しています。コマンド入力を支援する機能が以下のように用意されています。
- コマンドの一覧
- オプションの確認
- 補完機能
ここでは、オプションの確認について、掘り下げて説明していきます。
オプションの確認
時計の設定で試していきます。
Router#show clock
*1:14:49.555 UTC Tue Mar 2 1993
Router#
日時の設定をしていないので、現在の時刻とは異なる日時が表示されます。
後々、トラブルシュートを行ったり、ログを分析するために、ネットワーク機器には、正しい日時を設定しておく必要があります。
では、時刻を設定していきます。
時刻を設定するには、clock コマンドで設定するのですが、オプションが多く、すべてのオプションを覚えておくのは大変です。
このヘルプ機能を使うには、分からないところで、「?」を入力します。
Router#clock ?
set Set the time and date
次のオプションの候補がでてきます。
set というオプションを指定すると時刻と日付が設定できることが確認できます。
Router#clock set ?
hh:mm:ss Current Time
現在の時刻を次に指定することが分かります。
Router#clock set 00:27:30 ?
<1-31> Day of the month
MONTH Month of the year
次に月を指定することが分かります。
数字ではなく、英語の短縮表記で月をしていするので、注意してください。
Router#clock set 00:27:30 13 apr ?
<1993-2035> Year
次に年を指定することが分かります。
Router#clock set 00:27:30 13 apr 2022
これで、完全なコマンド指定が行えたので、Enterキーを押すことで時刻が設定できます。
Router#show clock
0:28:55.659 UTC Wed Apr 13 2022
Router#
show clock コマンドを入力すると設定した日時が確認できます。
Router#show clock
0:28:55.659 UTC Wed Apr 13 2022
コマンドメッセージ
IOSは、誤ったコマンド、不完全なコマンドに対して、コマンドメッセージを出力します。
このメッセージで何がダメだったのかを知ることができます。
引き続き、日時を設定する clock コマンドを使って、解説していきます。
Router#cl
% Ambiguous command: "cl"
曖昧なコマンドであることが指摘されます。
Router#clock
% Incomplete command.
不完全なコマンドであることが指摘されます。
Router#clock set 00:27:30 13 04
^
% Invalid input detected at '^' marker.
'^'マーカーで無効な入力が検出されました、と無効なコマンドであることを指摘されます。
月の指定は、数字ではなく英語の短縮表記で指定するので、間違えることが多いかと思います。
このコマンドの完全な指定の仕方は、以下のようにします。
Router#clock set 00:27:30 13 apr 2022