マルチホーミングを設定するコマンド
ここでは、マルチホーミングを設定するコマンドを紹介していきます。
IPの静的経路情報の設定
# ip route network gateway gateway1 [parameter] [gateway gateway2 [parameter]...]
【設定値及び初期値】
●network
設定値:
設定値 | 説明 |
default | デフォルト経路 |
IPアドレス | 送り先のホスト/マスクビット数(省略時は32) |
●gateway1, gateway2
設定値:
・IP アドレス
xxx.xxx.xxx.xxx (xxx は十進数 )
・pp peer_num [dlci=dlci]: PP インタフェースへの経路。"dlci=dlci" が指定された場合は、フレームリレー
のDLCIへの経路
・peer_num
・相手先情報番号
・anonymous
・pp anonymous name=name
設定値 | 説明 |
name | PAP/CHAP による名前 |
・dhcp interface
設定値 | 説明 |
interface | DHCP にて与えられるデフォルトゲートウェイを使う場合の、DHCP クライアントとして動作するLANインタフェース名、WANインタフェース名、ブリッジインタフェース名(送り先が Default の時のみ有効) |
・tunnel tunnel_num: トンネルインタフェースへの経路
・LOOPBACK インタフェース名、NULL インタフェース名
●parameter: 以下のパラメータを空白で区切り複数設定可能
設定値:
設定値 | 説明 |
filter number [number..] | フィルタ型経路の指定 ・number ・フィルタの番号 (1..21474836) (空白で区切り複数設定可能) |
metric metric | メトリックの指定 ・metric ・メトリック値 (1..15) ・省略時は 1 |
hide | 出力インタフェースが LAN インタフェース、またはWANインタフェース、PP インタフェース、TUNNELインタフェースの場合のみ有効なオプションで、相手先が接続されている場合だけ経路が有効になることを意味する。 |
weight weight | 異なる経路間の比率を表す値 ・weight ・経路への重み(0..2147483647) ・省略時は1 |
keepalive | gateway1に到達性のあるときにだけ有効となる。 |
【説明】
IPの静的経路を設定する。
gatewayのパラメータとしてフィルタ型経路を指定した場合には、記述されている順にフィルタが適用されていき、適合したゲートウェイが選択される。
適合するゲートウェイが存在しない場合や、フィルタ型経路が指定されているゲートウェイが1つも記述されていない場合には、フィルタ型経路が指定されていないゲートウェイが選択される。
フィルタ型経路が指定されていないゲートウェイも存在しない場合には、その経路は存在しないものとして処理が継続される。
フィルタ型経路が指定されていないゲートウェイが複数記述された場合の経路の選択は、それらの経路を使用する時点でラウンドロビンにより決定される。
filterが指定されていないゲートウェイが複数記述されている場合で、それらの経路を使うべき時にどちらを使うかは、始点/終点のIPアドレス、プロトコル、始点/終点ポート番号により、識別されるストリームにより決定される。同じストリームのパケットは必ず同じゲートウェイに送出される。
weightで値(例えば回線速度の比率)が指定されている場合には、その値の他のゲートウェイのweight値に対する比率に比例して、その経路に送出されるストリームの比率が上がる。
いずれの場合でも、hideキーワードが指定されているゲートウェイは、回線が接続している場合のみ有効で、回線が接続していない場合には評価されない。
なお LOOPBACK インタフェース、NULLインタフェースは常にアップ状態なので、hideオプションは指定はできるが意味はない。
複数のゲートウェイを設定した時に、ロードバランスをせずに特定のゲートウェイだけを優先的に使用するには、weightオプションで、0を設定する。
常時接続の設定
# pp always-on switch [time]
【設定値及び初期値】
●switch
設定値:
設定値 | 説明 |
on | 常時接続する。 |
off | 常時接続しない。 |
初期値: off
●time
設定値: 再接続を要求するまでの秒数 (60..21474836)
【説明】
選択されている相手について常時接続するか否かを設定する。また、常時接続での通信終了時に再接続を要求するまでの時間間隔を指定する。
常時接続に設定されている場合には、起動時に接続を起動し、通信終了時には再接続を起動し、キープアライブ機能により接続相手のダウン検出を行う。
接続失敗時あるいは通信の異常終了時にはtimeに設定された時間間隔を待った後に再接続の要求を行い、正常な通信終了時には直ちに再接続の要求を行う。switchがonに設定されている場合には、timeの設定が有効となる。timeが設定されていない場合にはtimeは60になる。
セッションの自動切断の設定
# pppoe auto disconnect switch
【設定値及び初期値】
●switch
設定値:
設定値 | 説明 |
on | 自動切断する。 |
off | 自動切断しない。 |
初期値: on
【説明】
選択されている相手に対して、PPPoEのセッションを自動で切断するか否かを設定する。