PPPoEを設定するコマンド
ここでは、PPPoEを設定するコマンドを紹介していきます。
LANを経由して、PPPoEサーバにPPP接続をすることで、IPアドレスやDNSサーバアドレスの払い出しを受けることができます。
また、割り当てられたIPアドレスをouterアドレスとして、NATやIPマスカレード接続することで、同時に複数のホストがインターネット網にアクセスできます。
相手先情報番号の選択
設定や表示の対象となる相手先情報番号を選択します。コマンドを投入以降のプロンプトは、「console prompt」 コマンドで設定した文字列と相手先情報番号が続けて表示さます。none を指定すると、プロンプトに相手先情報番号が表示されないようになります。
# pp select peer_num
【設定値及び初期値】
●peer_num
設定値 :
設定値 | 説明 |
番号 | 相手先情報番号 |
none | 相手を選択しない。 |
anonymous | ISDN番号が不明である相手の設定する。 |
使用例
コンソールプロンプトを「R1」にします。
# console prompt R1
相手先情報番号に「1」を指定します。
R1# pp select 1
プロンプトには「console prompt」 コマンドで設定した文字列と相手先情報番号が続けて表示さます。
R1pp1#
プロンプトを元に戻します。
R1pp1# pp select none
プロンプトが元に戻りました。
R1#
PPPoE 使用するLAN インタフェースの指定
PPPoE で使用するLANインタフェースを指定します。設定がない場合は、PPPoEは使われません。
# pppoe use interface
【設定値及び初期値】
●interface
設定値 : LAN インタフェース名
受け入れる認証タイプの設定
相手からのPPP認証要求を受け入れるかどうか設定します。このコマンドで認証を受け入れる設定を行っても、「pp auth myname」コマンドで自分の名前とパスワードが設定されていなければ、認証を拒否します。
# pp auth accept accept [accept]
【設定値及び初期値】
●accept
設定値 :
設定値 | 説明 |
pap | PAPによる認証を受け入れる。 |
chap | CHAPによる認証を受け入れる。 |
mschap | MSCHAPによる認証を受け入れる。 |
mschap-v2 | MSCHAP Version2による認証を受け入れる。 |
初期値 : 認証を受け入れない。
自分の名前とパスワードの設定
# pp auth myname mynamepassword
【設定値及び初期値】
●myname
設定値 : 名前(64文字以内)
●password
設定値 : パスワード(64文字以内)
PP側IPアドレスのネゴシエーションの設定
選択している相手について、PP側IPアドレスのネゴシエーションを行うか否かを指定します。このコマンドにより、接続時にサーバからIPアドレスを受け取れるようになります。
# ppp ipcp ipaddress negotiation
[設定値及び初期値]
●negotiation
設定値 :
設定値 | 説明 |
on | ネゴシエーションする。 |
off | ネゴシエーションしない。 |
初期値 : off
PCPのMS拡張オプションを使うか否かの設定
IPCPのMS 拡張オプションを使うか否かを指定します。Microsoft拡張オプションを使うように設定すると、DNS サーバのIPアドレスとWINSサーバのIPアドレスの通知を受け取れるようになります。offの場合は、DNSサーバや WINSサーバのアドレスの通知を受けても受け取りません。
# ppp ipcp msext msext
【設定値及び初期値】
●msext
設定値 :
設定値 | 説明 |
on | 使用する。 |
off | 使用しない。 |
初期値 : off
Maximum Receive Unitオプション使用の設定
LCPのネゴシエーションで「Maximum Receive Unit」オプションを用いるか否かと、MRU の値を設定します。MRUは、1回に受信できる最大のデータのサイズのことで、PPPを使用する場合、LCPでMRUオプションを使ってパケットサイズのネゴシエーションが行われます。
# ppp lcp mru mru [length]
【設定値及び初期値】
●mru
設定値 :
設定値 | 説明 |
on | 用いる。 |
off | 用いない。 |
初期値 : on
●length
設定値 : MRU の値 (1280..1792)
初期値 : 1792
インタフェースのMTUの設定
PPPにおけるMTUを指定します。この設定が適用されるのは、IPパケットだけで、他のプロトコルの場合には適用されず、デフォルトのままの1500のMTUとなります。
# ip pp mtu mtu
設定値 : MTU の値 (64..1500)
初期値 : 1500
全パケットの圧縮タイプの設定
PPPの圧縮方式を指定します。
# ppp ccp type type
【設定値及び初期値】
●type
設定値 :
設定値 | 説明 |
stac0 | Stac LZSで圧縮する。 |
stac | Stac LZSで圧縮する。 |
cstac | Stac LZSで圧縮する。※接続相手がCiscoルータの場合 |
mppe-40 | 40bit MPPEで暗号化する |
mppe-128 | 128bit MPPEで暗号化する。 |
mppe-any | 40bit,128bit MPPEのいずれかで暗号化を行う。 |
none | 圧縮しない |
初期値 : stac
相手先の使用許可の設定
相手先を使用できる状態にします。工場出荷設定では、全ての相手先は、disable状態となっています。使用する場合は、必ずこのコマンドでenableにする必要があります。
# pp enable peer_num
【設定値及び初期値】
●peer_num
設定値 :
設定値 | 説明 |
番号 | 相手先情報番号 |
anonymous | anonymous。インタフェース |
all | すべての相手先情報番号 |
DNSサーバを通知してもらう相手先情報番号の設定
DNSサーバとして利用する相手先情報番号を指定します。この機能を使用する場合には、「dns server pp」コマンドで指定された相手先情報に、「ppp ipcp msext on」コマンドの設定が必要となります。
# dns server pp peer_num
【設定値及び初期値】
●peer_num
設定値 : DNS サーバーを通知してもらう相手先情報番号
◆プライベートアドレスに対する問い合わせを処理するか否かの設定
プライベートアドレスのDNSアドレス解決要求をDNSサーバに転送するかどうかを指定します。
# dns private address spoof spoof
【設定値及び初期値】
●spoof
設定値 :
設定値 | 説明 |
on | 処理する。 |
off | 処理しない。 |
初期値 : off