BGPを設定するコマンド(その2)
「BGPを設定するコマンド(その1)」に引き続き、BGPを設定するコマンドを紹介します。
BGPによる接続先の設定
# bgp neighbor neighbor_id remote_as remote_address [parameter...]
【設定値及び初期値】
●neighbor_id
設定値: 近隣ルーターの番号 (1...2147483647)
●remote_as
設定値: 相手の AS 番号 (1..65535)
●remote_address
設定値: 相手のIP アドレス
●parameter: TYPE=VALUE の組
設定値:
TYPE | VALUE | 説明 |
hold-time | off もしくは 3 以上の整数[秒] | キープアライブの送信間隔 |
metric | 1..21474836 | MED(Multi-Exit Discriminator) で通知するメトリック |
passive | on または off | 能動的な BGP コネクションの接続を抑制するか否か |
gateway | IP アドレス/インタフェース | 接続先に対するゲートウェイ |
local-address | IP アドレス | BGPコネクションの自分のアドレス |
初期値:
・hold-time=180
・metric は送信されない
・passive=off
・gateway は指定されない
・local-address は指定されない
【説明】
BGPコネクションを接続する近隣ルータを定義する。metricパラメータは全てのMEDの初期値として働くので、bgp importコマンドでMEDを設定したときにはそれが優先される。
gatewayオプションは、接続先が同一のセグメントにないときに、その接続先に対するゲートウェイ(ネクストホップ)を指定する。
BGPのログの設定
# bgp log log [log]
【設定値及び初期値】
●log
設定値:
設定値 | 説明 |
neighbor | 近隣ルーターに対する状態遷移 |
packet | 送受信したパケット |
初期値: ログを記録しない。
【説明】
指定した種類のログをINFOレベルで記録する。
経路の集約の設定
# bgp aggregate ip_address/mask filter filter_num ...
【設定値及び初期値】
●ip_address/mask
設定値:
設定値 | 説明 |
ip_address/mask | IP アドレス/ネットマスク |
all | 全てのネットワーク |
●filter_num
設定値: フィルタ番号 (1..2147483647)
【説明】
BGPで広告する集約経路を設定する。フィルタの番号には、「bgp aggregate filter」コマンドで定義した番号を指定する。
経路を集約するためのフィルタの設定
# bgp aggregate filter filter_num protocol [reject] kind ip_address/mask ...
【設定値及び初期値】
●filter_num
設定値: フィルタ番号 (1..2147483647)
●protocol
設定値:
設定値 | 説明 |
static | 静的経路 |
rip | RIP |
ospf | OSPF |
bgp | BGP |
all | 全てのプロトコル |
●kind
設定値:
設定値 | 説明 |
include | 指定したネットワークに含まれる経路(ネットワークアドレス自身を含む) |
refines | 指定したネットワークに含まれる経路(ネットワークアドレス自身を含まない) |
equal | 指定したネットワークに一致する経路 |
●ip_address/mask
設定値: IP アドレス/ネットマスク
【説明】
BGPで広告する経路を集約するためのフィルタを定義する。このコマンドで定義したフィルタは、「bgp aggregate」コマンドのfilter節で指定されて、はじめて機能する。
ip_address/maskでは、ネットワークアドレスを設定する。これは複数設定でき、そのうち、一致するネットワーク長が長い設定が採用される。
kindの前にrejectキーワードを置くと、その経路は集約されない。