BGPを設定するコマンド(その1)

ここでは、BGPを設定するコマンドを紹介していきます。

BGP の起動の設定

# bgp use use

【設定値及び初期値】

●use
設定値:

設定値説明
on起動する。
off起動しない。

初期値: off

【説明】
 BGPを起動するか否かを設定する。いずれかのインターフェイスにセカンダリアドレスを割り当てた場合、BGPを使用することはできない。

AS 番号の設定

# bgp autonomous-system as

【設定値及び初期値】

●as
設定値: AS 番号 (1..65535)

【説明】
ルータのAS番号を設定する。AS番号を設定するまでBGPは動作しない。

ルータIDの設定

# bgp router id ip_address

【設定値及び初期値】

●ip_address
設定値: IP アドレス
初期値: インターフェイスに付与されているプライマリアドレスから自動的に選択する。

【説明】
ルーターID を設定する。通常はこのコマンドを設定する必要はない。

BGP による経路の優先度の設定

# bgp preference preference

【設定値及び初期値】

●preference
設定値: 優先度 (1..2147483647)
初期値: 500

【説明】
 BGPによる経路の優先度を設定する。優先度は1以上の整数で指定し、数字が大きいほど優先度が高い。BGPとその他のプロトコルで得られた経路が異なる場合には、優先度の高い経路が採用される。優先度が同じ場合には、先に採用された経路が有効になる。

各プロトコルに与えられた優先度の初期値は次のとおり。

スタティック10000
RIP1000
OSPF2000
BGP500

BGPによる接続先の設定

# bgp neighbor neighbor_id remote_as remote_address [parameter…]

【設定値及び初期値】

●neighbor_id
設定値: 近隣ルータの番号 (1…2147483647)

●remote_as
設定値: 相手のAS番号 (1..65535)

●remote_address
設定値: 相手のIPアドレス

●parameter : TYPE=VALUE の組
設定値:

TYPEVALUE説明
hold-timeoff もしくは 3 以上の整数[秒]キープアライブの送信間隔
metric1..21474836MED(Multi-Exit Discriminator) で通知するメトリック
passiveon または off能動的な BGP コネクションの接続を抑制するか否か
gatewayIP アドレス/インターフェイス接続先に対するゲートウェイ
ocal-addressIP アドレスBGPコネクションの自分のアドレス

初期値:
 ・hold-time=180
 ・metric は送信されない
 ・passive=off
 ・gateway は指定されない
 ・local-address は指定されない

【説明】
BGPコネクションを接続する近隣ルーターを定義する。

BGPの設定の有効化

# bgp configure refresh

【説明】
 BGPの設定を有効にする。BGPの設定を変更したら、ルータを再起動するか、このコマンドを実行する必要がある。

BGP に導入する経路に適用するフィルタの設定

# bgp import filter filter_num [reject] kind ip_address/mask … [parameter …]

【設定値及び初期値】

●filter_num
設定値: フィルタ番号(1..2147483647)

●kind
設定値:

設定値説明
include指定したネットワークに含まれる経路 (ネットワークアドレス自身を含む)
refines指定したネットワークに含まれる経路 (ネットワークアドレス自身を含まない)
equal指定したネットワークに一致する経路

●ip_address/mask
設定値:

設定値説明
ip_address/maskIPアドレス/ネットマスク
allすべてのネットワーク

●parameter: TYPE=VALUE の組
設定値:

TYPEVALUE説明
metric1..16777215MED(Multi-Exit Discriminator)で通知するメトリック値(指定しないときはMEDを送信しない)
preference0..255同じ経路を複数の相手から受信したときに、一方を選択するための優先度

初期値:
 ・metric=1
 ・preference=100

【説明】
 BGPに導入する経路に適用するフィルタを定義する。このコマンドで定義したフィルタは、「bgp import」コマンドのfilter節で指定されて、はじめて効果を持つ。

 ip_address/maskでは、ネットワークアドレスを設定する。複数の設定があるときには、プレフィックスが最も長く一致する設定が採用される。kindの前にrejectキーワードを置くと、その経路が拒否される。

BGPに導入する経路に対するフィルタの適用

# bgp import remote_as protocol [from_as] filter filter_num …

【設定値及び初期値】

●remote_as
設定値: 相手の AS 番号 (1..65535)

●protocol
設定値:

設定値説明
static静的経路
ripRIP
ospfOSPF
bgpBGP
aggregate集約経路

●from_as
設定値: 導入する経路を受信した AS(protocolでbgpを指定したときのみ)(1..65535)

●filter_num
設定値: フィルタ番号 (1..2147483647)

【説明】
 RIPやOSPFのようなBGP以外の経路を導入するときに適用するフィルタを設定する。フィルタに該当しない経路は導入されない。

 フィルタの番号には、「bgp import filter」コマンドで定義した番号を指定する。BGPの経路を導入するときには、その経路を受信したAS番号を指定する必要がある。

 このコマンドが設定されていないときには、外部経路は導入されない。フィルタ番号は、100個まで設定できる。

BGPで受信する経路に適用するフィルタの設定

# bgp export filter filter_num [reject] kind ip_address/mask … [parameter]

【設定値及び初期値】

●filter_num
設定値: フィルタ番号 (1..2147483647)

●kind
設定値:

設定値説明
include指定したネットワークに含まれる経路 (ネットワークアドレス自身を含む)
refines指定したネットワークに含まれる経路 (ネットワークアドレス自身を含まない)
equal指定したネットワークに一致する経路

●ip_address/mask
設定値:

設定値説明
ip_address/maskIPアドレス/ネットマスク
allすべてのネットワーク

●parameter: TYPE=VALUEの組
設定値:

TYPEVALUE説明
metric1..16777215MED(Multi-Exit Discriminator)で通知するメトリック値(指定しないときはMEDを送信しない)
preference0..255同じ経路を複数の相手から受信したときに、一方を選択するための優先度

初期値:
 ・metric=1
 ・preference=100

【説明】
 BGPで受信する経路に適用するフィルタを定義する。このコマンドで定義したフィルタは、「bgp import」コマンドのfilter節で指定されてはじめて効果を持つ。

 ip_address/maskでは、ネットワークアドレスを設定する。複数の設定があるときには、プレフィックスが最も長く一致する設定が採用される。

kindの前にrejectキーワードを置くと、その経路が拒否される。