SNMPとは

 SNMP(Simple Network Management Protocol)は、TCP/IPベースのネットワークシステムを監視し管理を行うプロトコルです。ネットワークシステム管理の重要度が認知される昨今、注目を集めています。

 SNMPは、ネットワーク上のコンピュータやネットワーク機器に対して、ネットワーク上のトラフィックや稼働状況などを問い合わせて管理する機能を持っていいます。

 一昔前のコンピュータシステムは、大型機中心のネットワークでしたが、コンピュータのダウンサイジングに伴い、ネットワークシステムは、次第に小型機中心のシステムに代わって行きました。

 ここで、深刻な問題が出てきます。それは、大型機の集中型のネットワークなら、専任の管理者の経験と感で管理することも可能でしたが、分散型のネットワークともなると、余りにも複雑で管理することが容易ではありません。

SNMPは、この問題を軽減することを目的に規格化が進められています。

SNMPの仕組み(マネージャ/エージェント)

SNMPは、以下の2つで構成されます。

●エージェント
●マネージャ

 エージェントは、管理される側で、コンピュータや、ルータ、スイッチなどのネットワーク機器、プリンタといった、様々な機器のことで、この機器上でエージェントというプログラムを動かしています。

 このエージェントが、監視対象機器の状態を示すパラメータの管理を行い、SNMPマネージャからの要求に応じて、機器の状態を通知します。エージェントは、常にマネージャからの要求に応えられるように待機しています。

SNMPでは管理対象となる機器にエージェントを待機させ、監視サーバ上のマネージャで管理する構成になっています。

 このエージェントとマネージャでやり取りされるパラメータは、監視対象機器内にある)MIB(Message Information Base)というデータベースに格納されています。

 エージェントは、このMIBから情報を取り出してマネージャに通知し、マネージャは受け取ったMIBの内容から、現在の監視対象機器の状態を判断するようになっています。

 SNMPは、UDPの上位に位置するプロトコルで、UDPのポート161番(ポーリング)と162番(TRAP)を使用して、情報をやり取りしています。