電子メール(ドメインで制限する)

 電子メールは、@の後ろの部分がドメイン名を表しています。このドメイン名を指定することで、メールアドレスにそのドメイン名が含まれたメールをブロックすることができます。

 例えば、「abc.co.jp」というドメインを指定して制限した場合、世界中のどのサーバから送られて来たメールでも、メールアドレスに「abc.co.jp」という文字列が含まれていれば、そのメールをブロックすることができます。

 ドメインで制限するのには、デメリットがあります。ドメイン全てのユーザーのメールがブロックしてしまうからです。

 その場合、迷惑なユーザーがそのドメインに、たまたまいたという不運で、自分が所属するドメインがブラックリストデータベースに登録されてしまってメールが送信できないという不幸な事態も起きています。

ドメインで制限する方法は、常に制限するドメイン名を動的に管理する必要があるため、運用管理の負担が大きくなります。

電子メール(ブラックリストとの連動)

 最近では、ブラックリストとメールサーバを連動して動作させているメールサーバもあります。ブラックリストは、リアルタイムに更新されることからRBL(Realtime Blackhole List)とも呼ばれています。

ブラックリストとは、拒否するリストのことです。ホワイトリストとは、許可するリストのとこを指します。

 しかし、このブラックリストは、万能ではありません。誤認することがあるのです。誤認されると、メールサーバから無視される被害を受けメールを相手に送信できなくなってしまいます。

 ブラックリストの種類によっては、クラスC単位でブラックリストに登録するものもあります。管理の甘いメールサーバのIPアドレスや悪さをしているメールサーバのIPアドレスに、たまたま近い番号のIPアドレスだったからという理由で、ブラックリストに登録されてしまう場合もあります。

 何も悪いことをしていないのに、ブラックリストに登録されてしまうケースも多発しており、RBLの管理は、大きな問題になっています。

電子メール(DNS逆引きで制限)

スパムメールは

①架空のドメイン名を使用している
②DNSの逆引きを行うことができない。

という特徴を持っています。

 送信されてきたメールのIPアドレスからドメインの逆引きを行い、逆引きできないメールサーバからのメールを拒否することで、スパムメールを遮断することができます。

 ただし、DNSの逆引きができないサーバは、スパマーのものだけとは限りません。管理が行き届いていない逆引きの登録を行っていないサーバも含まれてしまいます。

 そのため、スパマーでないユーザのメールまでも遮断されることがあります。これは、管理者がサーバの管理を怠っているのが原因で、ある意味、自業自得の感があります。

 また、最近では、正当なドメインを使用して送信されるスパムメール急激に増えてきていてます。これでは、DNSの逆引きでドメイン名を調べたところで効果がありません。

このように、DNSの逆引きで制限する方法では、限界があり、スパムメールを防ぐ完全な方法ではありません。