DHCPリレーにおけるパケットフロー
ここでは、DHCPリレーが行われる際の、DHCPクライアントとDHCPサーバ間のやり取りにおけるパケットのフロー流れを図を使って、説明します。
DHCPリレーにおけるDHCPクライアントとサーバ間のやり取りは、下図のように行われます。

クライアントからDHCPサーバへはUDPの67番が、DHCPサーバからクライアントへは68番が利用されます。
DHCPDISCOVERのパケットフロー

DHCPOFFERのパケットフロー

DHCPREQUESTのパケットフロー

DHCPACKのパケットフロー

DHCP(セグメントの識別)
ルータのDHCPリレー機能を使用すれば、ルータを超えた先のDHCPサーバからIPアドレスの払い出しを受けることができます。ここでは、なぜ、自分の所属するネットワークのIPアドレスをDHCPクライアントが受け取ることができるのかを説明して行きます。
DHCPリレー機能を利用すれば、下図のようなネットワークを構築することができます。DHCPサーバを集約して、1台のDHCPサーバーでIPアドレスの払い出しを管理できるようになります。

DHCPサーバには、下記のようにセグメント(ネットワーク)ごとにスコープを設定することになります。
1F・・・10.1.0.0/16
2F・・・10.2.0.0/16
3F・・・10.3.0.0/16
4F・・・10.4.0.0/16
5F・・・10.5.0.0/16

それでは、なぜ、DHCPサーバは、DHCPクライアントが所属するセグメント(ネットワーク)を識別して、セグメントごとに異なる設定情報を割り当てているのでしょうか?

それは、DHCPメッセージ内の「GIADDR」のIPアドレスによって、どのサブネットのIPアドレスに割り当てるかを識別しIPアドレスを割り当てているからです。「GIADDR」に値が無い場合は、同一セグメントと認識しています。
●DHCPのメッセージフォーマット
情報名 | 説明 |
CIADDR | クライアントIPアドレス、クライアントがBOUND、 RENEW、REBINDING状態の場合に用いられる。 |
YIADDR | DHCPサーバが割り当てるクライアントのIPアドレス(自分のIPアドレス) |
SIADDR | DHCPサーバのIPアドレス |
GIADDR | DHCPリレーエージェントのIPアドレス。DHCPサーバはGIADDRを見てクライアントの所属するサブネットを識別する。 |
CHADDR | クライアントのMACアドレス |
DHCPリレーが設定されたルータは、DHCPパケットをDHCPサーバに転送する前に、パケットのGIADDRフィールドに、そのセグメント用のルータのIPアドレス(DHCPパケットの着信インタフェースのIPアドレス)を格納します。
DHCPクライアントが、IPアドレスを取得する際に、そのIPアドレスがクライアントのためのゲートウェイアドレスとなります。