トランスポート層のプロトコルの役割

 ネットワーク層以下のプロトコルの役割は、バラバラになったパケット(小包)を宛先に届けるだけです。送信するパケットの中に何が入っているデータであるのかは、気にしていません。指定した相手に、ひたすら届けるだけなのです。

 しかし、プロセス(アプリケーション)から見れば、それでは、困ります。データの中身が何であるかが分からなければ、自分が担当するデータなのかが分からないからです。

コンピュータ上では、様々なプロセスが動作しています。

 仮に、パケットを受け取ったとしてもバラバラになったパケットを元通りに組み立て直す情報もありませんから、元通りにすることもできなければ、必要なパケットが全て自分に届いているかどうかも分からないのです。

 そこで、トランスポート層は、プロセスに対して、「AとBはつながっていて、A上のプロセスとB上のプロセスがやり取りできる。」という状態を提供しています。