ネットワークトポロジーの種類

ネットワークの接続形態を表す概念としてネットワークトポロジーがあります。

代表的な形態に、以下のようなものがあります。

  • バス型
  • スター型
  • リング型

 これらは、見た目(物理的)でこのような名称が付けられています。他にも、いくつかの形態があります。

バス型トポロジー

 複数のノードを1本の媒体で接続する形態をバスト型ポロジーと言います。この形態は、10BASE-2や10BASE-5の同軸ケーブルで構築されるネットワークで用いられます。

 1本のケーブルに端末を接続詞、ケーブルの両端にはターミネータを取り付けます。このターミネータは、終端抵抗で信号がケーブルの端で反射してノイズになるのを防いでいます。

 1本のケーブルを共有するため、ケーブルの断線が、ネットワーク全体に障害をもたらします。ノード数が増えるほど衝突の発生率が高くなります。現在では、ほとんど用いられないトポロジーです。

 バス型トポロジについて簡単にまとめます。バス型トポロジは、すべてのコンピュータが1本のケーブルまたはバスに接続されているネットワーク形態です。データは1つのコンピュータから送信され、バスを介して他のすべてのコンピュータに伝送されます。各コンピュータは、データを受信して必要に応じて処理するか、単純に無視することができます。

 バス型トポロジは、比較的小規模なネットワークに適していますが、大規模なネットワークには向いていません。バスに問題が発生すると、ネットワーク全体がダウンする可能性があります。また、バスに接続されたすべてのコンピュータがデータを傍受できるため、セキュリティ上のリスクがあるという欠点があります。

スター型トポロジー

 複数のノードをHUBなどの中心となる通信機器を介してスポーク状に接続する形態をスター型トポロジーと言います。ケーブルの配線が他のトポロジと比べ容易で自由度が高いため現在、主流となっています。形態をツリー型に構成することもできます。

 ケーブルの断線がネットワーク全体に障害をもたらさず、局所化することができます。10BASE-T、100BASE-TX、1000BASE-Tなどが、この接続形態をとり、ツイストペアケーブルで配線します。

 スター型トポロジは、すべてのコンピュータが中央のハブまたはスイッチに接続されているネットワーク形態です。各コンピュータは、ハブまたはスイッチに接続された専用のケーブルを介して通信します。

 スター型トポロジは、バス型トポロジに比べてより信頼性が高く、障害が発生しても影響範囲が限られるため、大規模なネットワークでも使用されます。ただし、スター型トポロジはハブやスイッチが故障すると、そのハブまたはスイッチに接続されたすべてのコンピュータが通信不能になるという欠点があります。

 また、多数のコンピュータがハブやスイッチに接続される場合、トラフィックの集中によってハブやスイッチがボトルネックになる可能性があるため、注意が必要です。

リング型トポロジー

 複数のノードをリング状に接続する形態をリング型トポロジーと言います。Token RingやFDDIなどが、この形態を用います。

 リング内では、トークンと呼ばれる信号が高速で周回しています。送信したいノードは、このトークンを捕まえ、トークン内にデータを詰め込んで送信します。トークンは、リング状のネットワーク上を回るため、衝突は発生しません。ケーブルに障害が発生すると、被害がネットワーク全体に及んでしまいます。

 

 このトポロジーでは、全てのコンピューターが同じリング上に配置され、各コンピューターは2つの隣接するコンピューターに接続されます。

 データはリング上を順次伝送され、各コンピューターはデータを受信し、必要であればデータを処理して次のコンピューターに送信します。このようにして、ネットワーク上のすべてのコンピューターが直接接続され、同じリング上をデータが伝送されるため、高速で信頼性が高く、ネットワークの管理が比較的容易になります。

 ただし、リング上に故障が発生すると、その故障箇所に接続されているすべてのコンピューターに影響を与える可能性があるため、障害耐性には課題があります。また、リング上を順次伝送するため、伝送速度が全体の帯域幅に影響を与えるため、大規模なネットワークには向いていません。

FDDI

 FDDI(Fiber Distributed Data Interface)は、光ファイバーを用いた高速なネットワーク規格の一つです。FDDIは1980年代後半に開発され、主にコンピューターネットワークや通信網での使用を目的としています。

 FDDIは、リング型トポロジーを採用しており、光ファイバーケーブルを使用してデータを高速かつ信頼性の高い方法で伝送します。FDDIは、1つのリングに最大100台のコンピューターを接続することができ、伝送速度は100Mbpsです。また、FDDIは冗長性が高く、ネットワーク上の機器に障害が発生した場合にも、自動的に別の経路を選択してデータを伝送することができます。

 FDDIは、主に大規模なネットワークや重要な通信回線に使用されています。しかし、FDDIは比較的高価であり、一般的なLANにはあまり使用されていません。最近では、FDDIに代わる高速ネットワーク規格として、光ファイバーを使用する他の規格が普及しています。

Token Ring

 Token Ring(トークンリング)は、コンピューターネットワークの一種で、リング型トポロジーを採用しています。Token Ringは、IBM社によって1980年代に開発され、主に企業内のLANで使用されていました。

 Token Ringでは、リング上の各コンピューターがデータを順番に伝送するため、データの衝突が起こりにくく、高速で信頼性が高いネットワークを実現することができます。また、各コンピューターは、トークンと呼ばれる制御用のデータフレームを受信することで、データを伝送する権限を得ることができます。

 Token Ringは、FDDIなどのように光ファイバーを使用する高速ネットワーク規格ではありませんが、伝送速度は16Mbpsや4Mbpsなど高速で、冗長性の高い回線構成を取ることで、高信頼性なネットワークを実現することができます。

 しかし、Token Ringは、当時としては比較的高価で、専用のハードウェアが必要となるため、一般的なLANとしては普及しませんでした。現在では、Ethernetが広く普及しており、Token Ringは使用されなくなっています。