階層別のネットワーク機器
ネットワーク上には様々な機器が存在します。ネットワーク上の全ての機器が、7階層のプロトコルを理解しているわけではありません。
ここでは、各階層に対応したネットワーク機器を紹介します。
下の図は、OSI参照モデルの階層別のネットワーク機器を表しています。
●レイヤ1~レイヤ3の機器

●レイヤ1~レイヤ7の機器

レイヤ | 機器名称 |
物理層~アプリケーション層 | ゲートウェイ |
ネットワーク層 | ルータ、レイヤ3スイッチ |
データリンク層 | ブリッジ、スイッチ |
物理層 | リピータ、ハブ |
これらの機器は、複数のネットワークを延長したり、結合する場合に必要になる機械です。
リピータやハブは、ネットワークを延長します。ブリッジ、スイッチは、ネットワークをデータリンク層で接続します。
ルータは、異なるネットワークを相互接続します。ルータはレイヤ3アドレスであるIPアドレスで、ネットワーク間を高度な経路制御やフィルタリンクなどを行うことができます。最近では、高速で安価になってきた、レイヤ3スイッチが人気を集めています。
ゲートウェイは、レイヤ4以上で異なるアーキテクチャのネットワークを中継します。
各層とネットワーク機器との対応
ネットワークには、様々な機器が存在します。
単純にネットワークを拡張するだけならば、リピータやハブを接続します。
複数のネットワーク(セグメント)が結合している場合、不要なトラフィックが、ネットワーク(セグメント)に流れないように、制御するためにルータやブリッジ、スイッチなどと呼ばれる機器を設置していきます。

どの機器で接続するのかは、どの階層レベルで接続するかで、使用する機器が変わってきます。
- 物理層 ・・・ リピータ、ハブ
- データリンク層 ・・・ ブリッジ、スイッチ
- ネットワーク層 ・・・ ルータ
このうち、ルータは、ネットワーク層で接続できる機器で、一般的にWAN接続などに使用されます。ルータは、IP層でネットワークを接続できるため、高度な経路制御やフィルタリングなどが可能です。
リピータ・ハブ(レイヤ1の機器)
ピータ (repeater)、ハブ(HUB)は、OSI参照モデルのレイヤ1で動作する機器です。
送信された信号は、ノイズの影響や、ケーブルの抵抗で送信元から離れて行くにつれ、劣化したり、信号が弱まってゆきます。やがて、信号と認識できなくなってしまいます。

リピータやハブは、この劣化した信号を整形したり、増幅させたりします。

リピータは、最近では、見かけることがなくなりました。リピータは、10BASE-5や10BASE-2でケーブルを延長して使用したい場合に使用します。
リピータを使用しない場合は、下の表で示す距離までしか接続できません。
ケーブル種類 | 距離 |
10BASE-5 | 500m |
10BASE-2 | 185m |
ハブは、10BASE-Tや100BASE-TXで100mを超えてケーブルを延長して使用したい場合に使用します。
ハブも最近では、あまり見かけなくなりました。それは、これまで高価だったレイヤ2で動作するスイッチが非常に安価になったからです。
レイヤ1機器の動作と接続台数
レイヤ1の機器は、MACアドレスやIPアドレスなどを見てトラフィックを制御するというようなことは行いません。リピータやハブは、劣化した信号を整形したり増幅させるだけです。
例えば、ハブでは、受信したトラフィックを受信したポート以外の全てのポートに転送します。

また、遅延や電気特性により、接続できるリピータやハブの数が制限されています。
ケーブル種類 | 距離 |
10BASE-T 10BASE-5 10BASE-2 | 4台 |
10BASE-2 | 2台 |
100BASE-TX ・・・ 2台
10BASE-T、10BASE-5、10BASE-2では、最大5セグメントまで延長することができます。