IPアドレス・クラスの概念

 IPアドレスには、アドレスクラス(address class)という分類方法があります。サブネットやCIDRなどにより、アドレスクラスの概念が薄れていますが、ネットワークの設計するときには、必ず考慮しなければならない重要な概念です。

※CIDR・・・「Classless Inter-Domain Routing」の略でサイダーと読みます。CIDRは、ク ラスの概念を用いないIPアドレスの割り当てと、経路集約を行う技術です。

IPアドレスの最上位部分のビットパターンで、クラスA ~ クラスE までの5つに分類されています。

クラスA

クラスAのIPアドレスの範囲は、下の通りです。

クラスA ( 0.0.0.0 ~ 127.255.255.255 )

最初の8ビットがネットワークアドレス、残りの24ビットがホストアドレスになります。

ただし、ネットワークアドレスの最初の1ビットは、識別のため、「0」とすることが決められています。

つまり、第1オクテットは、2進数で「00000000」~「01111111」までの範囲となります。

 10進法に置き換えると「0.X.X.X」~「127.X.X.X」になり、ネットワークアドレスは128個、ホストアドレスは、各ネットワークアドレスごとに1,677万7,216個のアドレスが確保されます。

※「x」は、ホストアドレスを示しています。

クラスAは、最も大規模なネットワーク向けのクラスクラスになります。

クラスAアドレスは、IPアドレス全体の空間(≒43億個)のうち、半分を占めています。

※ここで、説明しているIPアドレス数は、予約されているIPアドレスも含まれています。

デフォルトのサブネットマスク値は、「255.0.0.0」になります。

クラスB

クラスBのIPアドレスの範囲は、下の通りです。

クラスB ( 128.0.0.0 ~ 191.255.255.255 )

 最初の16ビットがネットワークアドレス、残りの16ビットがホストアドレスになります。ただし、ネットワークアドレスの最初の2ビットは、識別のため、「10」とすることが決められています。

つまり、第1、第2オクテットは、2進数で「10000000.00000000」~「10111111.11111111」までの範囲となります。

 10進法に置き換えると「128.0.X.X」~「191.255.X.X」になり、ネットワークアドレスは16,384個、ホストアドレスは、各ネットワークアドレスごとに6万5,536個のアドレスが確保されます。

※「x」は、ホストアドレスを示しています。

クラスBは、クラスAに次ぐ規模のネットワーク向けのアドレスクラスになります。

※ネットワークアドレスは最初の2ビットが固定されているので

 214 = 16,384 個になります。

クラスBアドレスは、IPアドレス全体の空間(≒43億個)のうち、1/4を占めています。

※ここで、説明しているIPアドレス数は、予約されているIPアドレスも含まれています。

デフォルトのサブネットマスク値は、「255.255.0.0」になります。

クラスC

クラスAのIPアドレスの範囲は、下の通りです。

クラスC ( 192.0.0.0 ~ 223.255.255.255 )

最初の24ビットがネットワークアドレス、残りの8ビットがホストアドレスになります。

ただし、ネットワークアドレスの最初の3ビットは、識別のために、「110」とすることが決められています。

 つまり、、第1、第2、第3オクテットは、2進数で「11000000.00000000.00000000」~「11011111.11111111. 11111111」までの範囲となります。

 10進法に置き換えると「192.0.0.X」~「223.255.255.X」になり、ネットワークアドレスは209万7,152個、ホストアドレスは、各ネットワークアドレスごとに256個のアドレスが確保されます。

※「x」は、ホストアドレスを示しています。

クラスCは、小規模なネットワーク向けのアドレスクラスになります。

クラスAアドレスは、IPアドレス全体の空間(≒43億個)のうち、1/8を占めています。

※ここで、説明しているIPアドレス数は、予約されているIPアドレスも含まれています。

デフォルトのサブネットマスク値は、「255.255.255.0」になります。

クラスD

クラスDのIPアドレスの範囲は、下の通りです。

クラスD ( 224.0.0.0 ~ 239.255.255.255 )

クラスDは、クラスAからクラスCまでのいずれのアドレスクラスにも該当しない特殊なクラスです。

クラスDでは、最初の4ビットが識別のために、「1110」とすることが決められています。

クラスDの使用目的は、IPマルチキャスト用です。ホストアドレス部分はありません。

10進数で範囲を表すと、「224.0.0.0」~「239.255.255.255」になります。

 マルチキャスト通信は、音声や映像データの一斉放送するために、マルチメディアアプリケーションなどが使用します。また、ルーティングプロトコルがお互いに経路情報を交換する際に使用したり、冗長化プロトコルで使用されます。

クラスE

クラスEのIPアドレスの範囲は、下の通りです。

クラスE( 240.0.0.0~255.255.255.255 )

クラスEでは、最初の4ビットが識別のために、「1111」とすることが決められています。

 クラスEのIPアドレスの範囲は、「240.0.0.0~255.255.255.255」で、このクラスは、実験用としてTCP/IP(IPv4)の開発当初から予約されています。実際に使われることはありません。

予約されたIPアドレス

IPアドレスは、クラスA~クラスEまで存在します。

 ●クラスA ( 0.0.0.0 ~ 127.255.255.255 )
 ●クラスB ( 128.0.0.0 ~ 191.255.255.255 )
 ●クラスC ( 192.0.0.0 ~ 223.255.255.255 )
 ●クラスD ( 224.0.0.0 ~ 239.255.255.255 )
 ●クラスE ( 240.0.0.0 ~ 255.255.255.255 )

 そのうち、ネットワーク端末に割り振ってよいアドレスは、クラスA~クラスCまでのアドレスになります。クラスDは、マルチキャスト、クラスEは、実験用として予約されています。

それでは、クラスA~クラスCのアドレスのうち、全ての値を利用してよいのでしょうか?

答えは、NOです。

特殊な用途のために、あらかじめ一般の利用が認められていない、予約されたアドレスがあるのです。

 クラスAでは、ネットワークアドレス(0~127)のうち、最初の0と127が予約されています。「127.0.0.1」は、ローカルループバックアドレスと呼ばれ、自分自身を示す仮想的なIPアドレスです。

 また、ホストアドレスでも、2進数で全て「0」のものと、「1」のもの、つまり、ホスト部分の3オクテットが、10進数で「0.0.0」と「255.255.255」は、予約されています。

また、クラスAでは、プライベートIPアドレスとして、「10.0.0.0」~「10.255.255.255」が予約されています。

プライベートIPアドレスは、下表の通りです。

クラス説明
クラスA10.0.0.0~10.255.255.255/8
クラスB172.16.0.0~172.31.255.255/12
クラスC192.168.0.0~192.168.255.255/16

例えば、クラスAでは次のアドレスが予約されていて、使えないことになっています。

「0.0.0.0」ネットワークアドレスが予約、ホストアドレスが0
「127.0.0.0」ネットワークアドレスが予約、ホストアドレスが0
「127.10.10.87」ネットワークアドレスが予約
「20.0.0.0」ホストアドレスが、全て「0」
「42.255.255.255」   ホストアドレスが全て「1」

 クラスB、クラスCにおいても、同様に予約されているアドレスがあります。クラスB、クラスCのいずれも、プライベートIPアドレスとホストアドレスが、2進数で全て「0」のものと、「1」のものは、使用できません。