このページで解説している内容は、以下の YouTube 動画の解説で見ることができます。
演習ファイルのダウンロード
ファイルは Packet tracer Version 8.2.1 で作成しています。古いバージョンの Packet Tracer では、ファイルを開くことができませんので、最新の Packet Tracer を準備してください。Tracer を準備してください。
ネットワークの構成を Packet Tracer で一から設定していくのは大変かと思います。「ダウンロード」から演習で使用するファイルのダウンロードができます。ファイルは、ウイルスバスターでウイルスチェックをしておりますが、ダウンロードは自己責任でお願いいたします。
【L3SW】BGPの設定
ここでは、L3スイッチで構成されるネットワークにOSPFv2を設定していきます。
ネットワークの構成は下図のとおりです。

今回のBGPの基本設定では、以下のことを行います。
- AS100内の「172.16.0.0/16」のルートをAS200に通知する。
- AS200内の「172.18.0.0/16」のルートをAS100に通知する。
基本設定
ホスト名と各インターフェイスにIPアドレスを設定します。
●L3SW1
Switch>enable
Switch#conf t
Switch(config)#hostname L3SW1
Switch(config)#ip routing
L3SW1(config)#int g1/0/1
L3SW1(config-if)#no switchport
L3SW1(config-if)#ip address 172.16.0.1 255.255.0.0
L3SW1(config-if)#no shutdown
L3SW1(config-if)#int g1/0/2
L3SW1(config-if)#no switchport
L3SW1(config-if)#ip address 172.17.0.2 255.255.0.0
L3SW1(config-if)#no shutdown
L3SW1(config-if)#end
L3SW1#copy run start
●L3SW2
Switch>enable
Switch#conf t
Switch(config)#hostname L3SW2
Switch(config)#ip routing
L3SW2(config)#int g1/0/1
L3SW2(config-if)#no switchport
L3SW2(config-if)#ip address 172.17.0.1 255.255.0.0
L3SW2(config-if)#no shutdown
L3SW2(config-if)#int g1/0/2
L3SW2(config-if)#no switchport
L3SW2(config-if)#ip address 172.18.0.1 255.255.0.0
L3SW2(config-if)#no shutdown
L3SW2(config-if)#end
L3SW2#copy run start
BGPの設定の流れ
1.BGPプロセスを有効にする。
BGPでは、ピアを複数張ることができますが、1台のBGPルータで有効化できるBGPプロセスは1つだけとなります。そこで、プロセス番号ではなく、AS番号を指定します。
Router(config)#rotuer bgp {as-number}
※as-number:AS番号を 1 ~ 65535 の範囲で指定
2.ピアを確立する近接ルータを指定する。
IGPのように自動でネイバーの登録は、行われません。管理者がネイバーの登録を行います。
Router(config-router)#neighbor {ピアを張るルータのIP} remote-as {as-number}
3.通知する経路を指定する。
Router(config-router)#network {ネットワークIP} mask {サブネットマスク}
BGP同期の設定
BGPでは、『たとえBGPで経路情報を学習してもIGPで学習するまでは、その経路情報を有効にしない。』というBGP同期という機能があります。
そのBGP同期の機能ですが、有効化にするケースは、ほぼありません。メリットも少ないです。それは、無効化することで、他ASからの大量のルートを流入を防ぎ、ルータが過負荷状態になることを避けることができるからです。
このBGP同期の機能は、現在のIOSのバージョンでは、デフォルトで無効(no synchronization)なっています。古いIOSの場合は、以下のコマンドで、この機能を無効にしておきます。
Router(config-router)#no synchronization
L3SW1のBGP設定
L3SW1のBGPルーティングの設定は、以下のように設定します。
BGPでは、ピアを張ります。
L3SW1が所属するASは100です。BGP のASを100で指定します。
L3SW1(config)#router bgp 100
次に、ピアを張るBGPスピーカーのIPアドレスを指定し、そのBGPスピーカーが所属するAS番号を指定します。
R1(config-router)#neighbor 172.17.0.1 remote-as 200
最後に、BGPで通知する経路情報を指定します。
L3SW1(config-router)#network 172.16.0.0 mask 255.255.0.0
BGPルートに対する自動集約ですが、BGPの「auto-summary」は、デフォルトで無効になっています。有効にするとBGPへ再配布されるルートに対して自動集約を行います。ここでは、デフォルトの設定のままとしておきます。
R2のBGP設定
L3SW2(config)#router bgp 200
L3SW2(config-router)#neighbor 172.17.0.2 remote-as 100
L3SW2(config-router)#network 172.18.0.0 mask 255.255.0.0
これで設定は完了です。次の「【L3SW】BGPのベストパスの確認」で構築したネットワークの動作検証を行っていきます。
