DHCPv6(ステートフルDHCPv6の概要)
ここでは、ステートレスDHCPv6について解説していきます。
「SLAACとステートレスDHCPv6」については、こちら「DHCPv6(SLAACとステートレスDHCPv6の概要)」で解説しています。
ステートフルDHCPv6では、IPv6設定に必要なデフォルトゲートウェイを除くすべての情報を、DHCPv6サーバがホストに提供します。
ホストは、ルータからのRAメッセージで、ステートフルDHCPv6を使用することが示されたあと、DHCPv6サーバとの通信を開始します。
DHCPv6サーバとホストがやり取りするDHCPv6メッセージには、UDPが使用されます。サーバからホストへの宛先ポート番号には546を、ホストからサーバへの宛先ポート番号には547が使用されます。
SLAACとステートレスDHCPv6におけるメッセージのやり取りの流れは、以下のとおりです。
- ホストが、RSメッセージを送信する。
- ルータが、RAメッセージで応答する。
- ホストが、DHCPv6 SOLICIT メッセージを送信する。
- DHCPv6サーバが、ADVERTISE メッセージで応答する。
- ホストが、DHCPv6サーバに応答する。
- DHCPv6サーバが、REPLYメッセージを送信する。

各オペレーションの詳細
各オペレーションについて解説します。
1.ホストが、RSメッセージを送信する
PC1は、ネットワーク上のすべてのIPv6ルータにRSメッセージを送信します。
このRSメッセージは、ネットワーク上のすべてのIPv6ルータに送信されます。
2.ルータが、RAメッセージで応答する
R1ルータは、RSメッセージを受信し、ネットワーク上のすべてのホストに対して、RAメッセージで応答します。RAメッセージでホストがDHCPv6サーバと通信することを提示します。
3.ホストが、DHCPv6 SOLICIT メッセージを送信する。
ホストは、DHCPv6を発見するために、全DHCPv6サーバアドレスである「ff02::1::2」宛にDHCPv6 SOLICITメッセージを送信します。宛先のマルチキャストアドレスは、リンクローカルスコープであるため、ルータは、このメッセージを転送しません。
4.DHCPv6サーバが、ADVERTISE メッセージで応答する。
ネットワーク上のすべてのDHCPv6サーバが、ユニキャストのDHCPv6 ADVERTISEメッセージで応答します。ホストに、このメッセージで、DHCPv6サービスが利用可能であることを通知します。
DHCPv6サーバには、DHCPv6を設定したルータを使用することもできます。
5.ホストが、DHCPv6サーバに応答する。
PC1は、DHCPv6サーバに応答しますが、ステートレスまたはステートフルDHCPv6かによって異なる応答を返します。
ホストは、ステートフルDHCPv6の場合、RAメッセージで通知されたデフォルトゲートウェイを設定します。
次にホストは、デフォルトゲートウェイを除くすべての追加IPv6設定情報(DNDサーバアドレスなど)を取得するために、DHCPv6 REQUESTメッセージでDHCPv6サーバに要求します。
6.DHCPv6サーバが、REPLYメッセージを送信する。
DHCPv6サーバはREPLYメッセージをホストに送信します。このメッセージの内容はステートレスまたはステートフルDHCPv6かによって異なります。
DHCPv6サーバは、デフォルトゲートウェイのアドレスを提供しません。ホストはデフォルトゲートウェイを、RAで通知されたR1ルータののG0/0のリンクローカルアドレスを使用します。