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演習ファイルのダウンロード

 ファイルは Packet tracer Version 8.2.0 で作成しています。古いバージョンの Packet Tracer では、ファイルを開くことができませんので、最新の Packet Tracer を準備してください。
 ネットワークの構成を Packet Tracer で一から設定していくのは大変かと思います。「ダウンロード」から演習で使用するファイルのダウンロードができます。ファイルは、McAfee インターネットセキュリティでウイルスチェックをしておりますが、ダウンロードは自己責任でお願いいたします。

DHCPv6(SLAACの設定)

ここでは、ルータにSLAACの設定を行い、検証していきます。

ネットワークの構成は、下図のとおりです。

基本設定

まずは、基本設定を行います。

R1ルータのG0/0 にGUAとLLAを割り当て、ホスト名を設定します。

●R1のコンフィグ

Router>en
Router#conf t
Router(config)#hostname R1
R1(config)#int g0/0
R1(config-if)#ipv6 address 2001:db8:cc1e:1::1/64
R1(config-if)#ipv6 address fe80::1 link-local
R1(config-if)#no shutdown
R1(config-if)#end
R1#copy run start

インターフェイスの確認

G0/0の現在のインターフェイスの設定を確認します。

R1#show ipv6 int g0/0

●R1ルータの「show ipv6 int g0/0」の出力

R1#show ipv6 int g0/0
GigabitEthernet0/0 is up, line protocol is up
  IPv6 is enabled, link-local address is FE80::1
  No Virtual link-local address(es):
  Global unicast address(es):
    2001:DB8:CC1E:1::1, subnet is 2001:DB8:CC1E:1::/64
  Joined group address(es):
    FF02::1
    FF02::1:FF00:1
  MTU is 1500 bytes
  ICMP error messages limited to one every 100 milliseconds
  ICMP redirects are enabled
  ICMP unreachables are sent
  ND DAD is enabled, number of DAD attempts: 1
  ND reachable time is 30000 milliseconds

上の黄色のマークに注目します。「ff02::1」がありますが、「ff02::2」がありません。

ff02::1…全ノードマルチキャストグループ

 「ff02::1」は、すべてのIPv6デバイスが所属するマルチキャストグループです。このグループに送信されたパケットは、リンク上のすべてのデバイスのIPv6インターフェイスで受信されて処理されます。

 このマルチキャストアドレスを使って、IPv6ルータは、RAメッセージを全ノードマルチキャストグループ宛に送信します。

 しかし、現在のインターフェイスの設定では、「ff02::2」に所属していません。SLAACを使用して、RAメッセージをまだ送信することができません。

SLAACを有効化する

 IPv6ルータでSLAACを有効化して、RAメッセージを送信するには「ipv6 unicast-routing」コマンドを使用して、IPv6全ルータグループに所属させる必要があります。

 「ipv6 unicast-routing」コマンドは、ルータでIPv6ルーティングを有効にするとともに、全ルータマルティキャストグループに所属させます。RAメッセージに、Aフラグを1を、OフラグとMフラグには0を設定して、RAメッセージの送信を開始します。

R1ルータに「ipv6 unicast-routing」コマンドを適用します。

R1(config)#ipv6 unicast-routing

SLAACが有効化を確認

G0/0の現在のインターフェイスの設定を確認します。

R1#show ipv6 int g0/0

●R1ルータの「show ipv6 int g0/0」の出力

R1#show ipv6 int g0/0
GigabitEthernet0/0 is up, line protocol is up
  IPv6 is enabled, link-local address is FE80::1
  No Virtual link-local address(es):
  Global unicast address(es):
    2001:DB8:CC1E:1::1, subnet is 2001:DB8:CC1E:1::/64
  Joined group address(es):
    FF02::1
    FF02::2
    FF02::1:FF00:1
  MTU is 1500 bytes
  ICMP error messages limited to one every 100 milliseconds
  ICMP redirects are enabled
  ICMP unreachables are sent
  ND DAD is enabled, number of DAD attempts: 1
  ND reachable time is 30000 milliseconds
  ND advertised reachable time is 0 (unspecified)
  ND advertised retransmit interval is 0 (unspecified)
  ND router advertisements are sent every 200 seconds
  ND router advertisements live for 1800 seconds
  ND advertised default router preference is Medium
  Hosts use stateless autoconfig for addresses.

 上の黄色のマークに注目します。今度は「ff02::2」があります。ルータは、全ルータマルチキャストグループに所属していることが分かります。ルータは、マルチキャストアドレス「ff02::2」に対して応答します。

 IPv6 が有効なルータは、200秒ごとに全ノードマルチキャストアドレス宛の「ff02::1」に対して RAメッセージを送信します。

ff02::2…全ルータマルチキャストグループ

 「ff02::2」は、すべてのIPv6ルーターが参加するマルチキャストグループです。「ipv6 unicast-routing」コマンドでルータをIPv6ルータとして有効にすることで、ルータはこのマルチキャストグループのメンバになります。

 このグループ宛に送信されたパケットは、リンク上のすべてのIPv6ルータで受信されて処理されます。

PC1の設定

PC1で、IPv6アドレスを自動取得するようにします。

PC1の「IP Configuration」を表示します。

「IPv6 Configuration」で、「Automatic」をクリックします。

IPv6 GUAが取得されることが確認できます。