VLSMとクラスフルルーティングプロトコル

 ルーティングプロトコルには、VLSMに対応していないクラスフルルーティングプロトコルと、VLSMに対応しているクラスレスルーティングプロトコルがあります。

クラスフルルーティングプロトコル・・・RIPv1、IGRP
クラスレスルーティングプロトコル・・・RIPv2、EIGRP、OSPF

 クラスレスルーティングプロトコルは、ルーティングアップデートの中にサブネットマスクの情報を含めて送信するためVLSM の使用をサポートしています。

 しかし、RIPv1などのクラスフルルーティングプロトコルでは、ルーティング アップデートの中にサブネットマスクの情報が含まれないため、連続サブネットを配置している場合を除いて、正しくルーティングを行うことができません。

 クラスフルルーティングプロトコルでは、クラスフルなネットワークアドレスでしか、正しくルーティングを行うことができません。

 そのため、各ネットワークへは、ネットワークアドレス部とホストアドレス部を8ビット単位で区切ったクラスフルなアドレスを割り当てることが基本となります。

つまり、適用するネットワークに対して適切なサイズではないアドレスを割り当てることとなってしまうのです。

例えば、下の図のようにWANリンクにクラスCのIPアドレスを割り当てたとします。

 クラスCで使用可能なアドレス数は、254個です。WANリンクで2個のIPアドレスしか使用しないため、252個のIPアドレスを浪費してしまうことになります。

 このように、クラスフルなネットワークアドレスでしかルーティングできない状況では、かなりの量のIPアドレスが浪費されてしまうことになります。

ルーティングテーブルのサイズの問題

 大規模なネットワークになると、ルータは、膨大な数のネットワークを学習することになります。その為、ルーティングテーブル上のエントリー数は膨大なものとなってしまいます。インターネット上に存在するネットワークは、数十万ネットワークとも言われています。

 ルーティングテーブルのサイズが大きくなると、ルータのCPUやメモリに負担がかかりオーバヘッドが大きくなってしまいます。受信するパケットの一つ一つに対して、この膨大なエントリーの中から探し出すのは大変、負荷の高い作業になってしまいます。

 クラスフルルーティングには限界があるということです。複数のネットワークを一つにまとめることで、ルーティングテーブルサイズを小さく