VTP(VLAN Trunking Protocol)とは

 大規模な、ネットワークでVLANを作成、管理するのは、容易ではありません。各スイッチ上で、VLANを作成し、ポートに割り当てを行わなくてはならないからです。

 ネットワークの規模が大きくなればなるほど、作業量が増えてきます。また、VLANの数が増えれば、さらに作業量が増えます。

 VTP(VLAN Trunking Protocol)を使うとVLANの管理が容易になります。VTPは、Cisco独自のプロトコルで、Ciscoスイッチでサポートされています。

 VTPでは、ドメインという概念を用いています。同一ドメインに所属するスイッチは、VTPアドバタイズメントを交換することで、VLAN情報を自動的に維持します。

VTPのモード

 VTPは、サーバモード、クライアントモード、トランスペアレントモードの3つのモードがあります。管理ドメイン内には、サーバモードのスイッチが、1台以上、存在する必要があります。

モードVTPのリスニングVLANの作成VLANの削除
サーバ
クライアント××
トランスペアレント×
転送は行う
ローカルのみローカルのみ

 VTPの設定を行う際には、Catalystスイッチに所属するVTPドメイン名を指定します。同一ドメインに所属することで、VTPアドバタイズメントを交換し、VLAN情報を自動的に維持するようになります。

VTPドメイン名を指定したら、スイッチをどのモードで動作させるのかを指定します。

サーバモード

 VLANの作成、変更、削除が行えます。設定したVLAN情報は、NVRAMに保存されるため、再起動してもVLANの情報は保持されます。管理ドメイン内には、サーバモードのスイッチが、1台以上を設置する必要があります。デフォルトで5分間隔で、VTPアドバタイズメントを送信しています。

クライアントモード

 クライアントモードのスイッチは、VLAN情報の作成、変更、削除を行うことができません。処理能力の低いスイッチに向いているモードです。再起動すると、VLAN情報は消えてしまいますが、VTPアドバタイズメントを受信すると、再学習します。

トランスペアレントモード

 トランスペアレントモードのスイッチは、ローカルのみに有効な、VLANの作成、削除が行えます。このVLAN情報は、他のスイッチに伝送されることはありません。また、他のスイッチからのVTPアドバタイズメントを受信しても処理を行なわず、転送します。