このページで解説している内容は、以下の YouTube 動画の解説で見ることができます。

ネットワーク構成

ネットワークの構成は、下図のとおりです。

演習ファイルのダウンロード

 ネットワークの構成を Packet Tracer で一から設定していくのは大変かと思います。「ダウンロード」から演習で使用するファイルのダウンロードができます。ファイルは、McAfeeインターネットセキュリティでウイルスチェックをしておりますが、ダウンロードは自己責任でお願いいたします。

Routerのパスワードは、以下のように設定しています。

  • enable password ・・・ cisco
  • line vty      ・・・ cisco

telnet(接続・切断・中断・再開)

 Ciscoルータは、telnet サーバ機能と、Telnet クライアント機能の両方を兼ね備えています。ルータから他の端末への telnet接続することも、他の端末から、ルータに telnet接続 することもできます。

telnet 接続

telnet 接続するためには、ユーザモード、特権モードから下のコマンドを使います。

Router#telnet { 宛先IPアドレス | 宛先ホスト名 }

「ip host」コマンドでホスト名とIPアドレスの関連付けができていれば、宛先ホスト名でも Telnet 接続ができます。

●telnet 接続する際の注意点

telnet先がCiscoルータの場合、以下の事項に注意して下さい。

  • Telnet(line vty)のパスワードを設定していないと telnet 接続ができません。
  • 特権モードのパスワードを設定していないと、telnet 先のルータで特権モードに入れません。

それでは、下図のネットワークで telnet接続を行っていきます。

Router_A~Router_Cの設定方法は省略します。

ここでは、ルータの設定は気にせず、telnetコマンドの使い方をマスターしていきましょう。

Router_AとPC_Aは、コンソール接続しておきます。

Router_AからRouter_Bにtelnet接続します。

Router_A#telnet 172.16.2.2
Trying 172.16.2.2 ...Open


User Access Verification

Password: 
Router_B>

ちなみに、

Router#172.16.2.2

でもtelnet接続できます。

Router#IPアドレス

は、telnetと同じ扱いになります。

telnet セッションの切断

telnetセッションを終了して、ローカルルータに戻るには、以下のコマンドを使います。

Router>exit

Router_A#telnet 172.16.2.2
Trying 172.16.2.2 ...Open


User Access Verification

Password: 
Router_B>exit

[Connection to 172.16.2.2 closed by foreign host]
Router_A#

telnet セッションの中断

telnetセッションを中断するには、「CTRL + SHIFT + 6」 を同時押しした後、 「x」キーを押します。

「CTRL + SHIFT + 6」 + 「x」を押すことで中断できます。

Router_A#telnet 172.16.2.2
Trying 172.16.2.2 ... Open

User Access Verification

Password:
Router_B>「CTRL + SHIFT + 6」 + 「x」
Router_A#

telnet セッションの再開

中断したセッションを再開するには、「Enter」キーを押すか、「resume」コマンドを使います。

Router#「Enter」

または、

Router#resume

Router_A#telnet 172.16.2.2
Trying 172.16.2.2 ... Open

User Access Verification

Password:
Router_B>「CTRL + SHIFT + 6」 + 「x」
Router_A#「Enter」
[Resuming connection 1 to 172.16.2.2 ... ]

Router_B>

中断しているセッションの確認

中断しているセッションの確認には、「show sessions」コマンドを使います。

Router#show sessions

実際に操作して確認してみます。

Router_AからRouter_B、Router_Cへセッションを張ります。

Router_AからRouter_Bに telnet 接続します。
Router_AからRouter_Cに telnet 接続します。


Router_A#telnet 172.16.2.2   ← Router_BへTelnet
Trying 172.16.2.2 ... Open

User Access Verification

Password:
Router_B>          ← 「CTRL + SHIFT + 6」 + 「x」で中断
Router_A#telnet 172.16.3.2   ← Router_CへTelnet
Trying 172.16.3.2 ... Open

User Access Verification

Password:
Router_C>          ← 「CTRL + SHIFT + 6」 + 「x」で中断
Router_A#show sessions    ← 中断しているセッションの確認
Conn Host                Address             Byte  Idle Conn Name
   1 172.16.2.2          172.16.2.2             0     0 172.16.2.2
*  2 172.16.3.2          172.16.3.2             0     0 172.16.3.2

Router_A#

直前にTelnetしていたセッションには、「*」が表示されます。

中断しているセッションの再開

中断しているセッションを再開させるには、「resume」コマンドで「コネクション番号」を指定します。

Router#resume {コネクション番号}

ちなみに、「コネクション番号」を指定しないで「Enter」キーを押すと直前のセッションに戻ります。

中断しているセッションの切断

 中断しているセッションを切断するには、「disconnect」コマンドでで「コネクション番号」を指定します。

Router#disconnect {コネクション番号}

Router_A#show sessions  ← 自分が張っているセッションを確認
Conn Host                Address             Byte  Idle Conn Name
   1 172.16.2.2          172.16.2.2             0    20 172.16.2.2
*  2 172.16.2.2          172.16.2.2             0     0

Router_A#disconnect 2  ← 2番のセッションを切断
Closing connection to 172.16.2.2 [confirm]
Router_A#show sessions  ← セッションの確認
Conn Host                Address             Byte  Idle Conn Name
*  1 172.16.2.2          172.16.2.2             0    20 172.16.2.2

Router_A#

 自分のルータにログインされているTelnetのセッションの確認と切断については、「telnet(セッションの管理2)」で紹介します。

自ルータにログインしているセッションの確認

自ルータにログインしているセッションを確認するには、「show users」コマンドを使います。

 「show users」コマンドと「show sessions」コマンドは、自分に張られているセッションか、自分が張っているセッションかを確認するコマンドで、見ているセッションが違います。間違えやすいためか、CCNA試験の問題集等で、よく散見します。間違え易いので注意して下さい。

「show users」コマンドは、ユーザモードでも特権モードでもどちらでも使用することができます。

Router#show users

実際に操作して確認します。

Router_Aに対して、Router_BとRouter_CからTelnetセッションを張ります。

・Router_BからRouter_AにTelnet接続します。
・Router_CからRouter_AにTelnet接続します。

Router_Aで「show users」コマンドを実行します。

Router_A#show users  
    Line       User       Host(s)              Idle       Location
*  0 con 0                idle                 00:00:00 
 134 vty 0                idle                 00:01:00 172.16.2.2
 135 vty 1                idle                 00:00:38 172.16.3.2

  Interface    User               Mode         Idle     Peer Address

接続元デバイスのIPアドレスが表示されます。

 telnet 操作は、ネットワーク機器を設定する時に、よく使用するコマンドです。各々のルータに対してコンソール接続を行って設定するのは大変です。telnet 操作はネットワーク機器の設定に便利です。ぜひマスターしておきましょう。