設定の保存時の注意(IOSが消去される)

ルータを設定していると誤ってIOSを消してしまうことがあります。

 copyコマンドを間違えて指定してしまったり、deleteコマンドで消してしまうのは、自己責任ですが、時にどうして、IOSが消えてしまったんだろうと思うことがあります。

実機の場合 ※IOS12で確認(現バージョンでは異なるかもしれません)

例えば、設定ファイルを保存する時

Router#copy running-config startup-config

と保存するわけですが、

下のように間違えてコマンドを入力するとIOSが消されてしまう場合があります。

Router#copy running-config strtup-config

「startup-config」を「strtup-config」と入力ミスしています。

設定ファイルを間違えて保存した場合
Router#copy running-config strtup-config
Destination filename [strtup-config]?
Erase flash: before copying? [confirm]^C
Verifying checksum...  OK (0xB62C)
404 bytes copied in 0.790 secs

Erase flash: before copying? [confirm]^C

なんと!「コピーする前にflashを消すけど」って言われてしまいます。

 コマンド操作に慣れてくると、設定ファイルの保存は、無意識に指先のリズムに乗って打ち込んでしまいますので、慣例的に、「Enterキー」「Enterキー」で先に進めてしまう癖が付いてしまっています。

ここでは、「Ctrl + C」で抜けました。「Enterキー」を押してしまうと、IOSが消去されてしまいます。

 IOSが消されてしまうと、IOSを復旧しなければなりません。IOSのバックアップを取っていれば、TFTPサーバ等を利用して、復旧できますが、バックアップがなければ、ルータを復旧することはできません。IOSが搭載されていない、ルータはただの箱になってしまいます。

ちなみに、「Ctrl + C」で抜けても、flashにファイルとして保存されてしまいます。

Router#show flash

コマンドで確認してみると、以下のように出力されます。

show flash

Router#show flash

System flash directory:
File  Length   Name/status
  1   3430324  c2600-i-mz.120-14
  2   404      strtup-config
[3430856 bytes used, 4957752 available, 8388608 total]
8192K bytes of processor board System flash (Read/Write)

必要のない「strtup-config」が保存されています。このファイルは、単なるゴミです。貴重なflashの容量を圧迫するだけです。

必要のないファイルは、削除しておきます。

Packet Tracer の場合

Packet Tracer で、設定ファイルを保存する時

Router#copy running-config startup-config

と保存するところを、

下のように間違えてコマンドを入力してみます。

Router#copy running-config strtup-config

「startup-config」を「strtup-config」と入力ミスしています。

設定ファイルを間違えて保存した場合
Router#copy running-config strtup-config
Destination filename [strtup-config]?
Router#copy running-config strtup-config
                             ^
% Invalid input detected at '^' marker.

% Invalid input detected at ‘^’ marker.

「’^’マーカーで無効な入力が検出されました。」と、指摘されます。

Packet Tracer では、無効なコマンドと指摘されて、間違えた名前のファイルとして保存されることはありません。

flashの中身を削除する

実機の場合の続きの操作

先ほどの操作でできてしまった不要なゴミファイル「strtup-config」を削除します。削除するには、「delete」コマンドを使います。

「delete」コマンドは、どこの何を消すか指定します。

flashにある「strtup-config」を消すわけですから、「 flash:strtup-config」と指定します。

Router#delete flash:strtup-config

delete flash:strtup-config
Router#delete flash:strtup-config
Delete filename [strtup-config]?
Delete flash:strtup-config? [confirm]

これで、不要な「strtup-config」は、消されるはずですが、「show flash」してみます。

delete flash:strtup-config
Router#show flash

System flash directory:
File  Length   Name/status
  1   3430324  c2600-i-mz.120-14
  2   404      strtup-config [deleted]
[3430856 bytes used, 4957752 available, 8388608 total]
8192K bytes of processor board System flash (Read/Write)

strtup-config」が、まだ表示されるじゃありませんか!

よく見て下さい![deleted]が付いています。flash上には、まだ残っていますが、「削除」のフラグが付けられました。

しかし、なんだか、不要なものが残っているのは、気味が悪いし、かっこ悪いですよね!

設定ファイルを保存する際には、

Router#copy run[TAB] start[TAB]

途中で「TAB」キーを押して、コマンド保管して

Router#copy running-config startup-config

となるのを確認してから保存すると良いでしょう!

慣れてくると、ついつい

Router#copy run start

 として、しまいがちです。何百回と保存していると、短い単語でもスペルミスを起こして、何回かIOSを消してしまう経験をすると思います。気をつけましょう。