AWS CLF　問題641-644：クラウドの利点

【正解】
C) データバックアップと復旧の容易さ
D) インフラストラクチャのコスト削減

【解説】
C) データバックアップと復旧の容易さ
クラウドプロバイダーはデータを冗長化して保存するため、データのバックアップが容易に行えます。従って、データの喪失リスクが低くなります。また、クラウド上のサービスには通常、データのバックアップと復旧に関する高度な機能が備わっているため、災害復旧やデータの復元がスムーズに行える場合があります。

D) インフラストラクチャのコスト削減
クラウドサービスは従量課金が一般的で、必要なリソースのみを使用した分だけ課金されます。したがって、オンプレミス環境と比較して、必要なリソースの課金のみで済むため、インフラストラクチャの運用コストを削減することができます。また、クラウドのメリットとして、ハードウェアの購入やメンテナンス、データセンターの運用などの初期投資やランニングコストを抑えることができる点も挙げられます。

なお、他の選択肢についても補足しておきます。

A) 物理的なセキュリティの確保
クラウドプロバイダーは高度なセキュリティ対策を実施しており、物理的なセキュリティも十分に考慮されています。したがって、クラウドは物理的なセキュリティの確保においてもメリットを持ちます。

B) カスタマイズ可能なハードウェア構成
クラウドは、必要なリソースを柔軟に拡張・縮小できるため、カスタマイズ可能なハードウェア構成も可能です。しかし、一部のクラウドプロバイダーはカスタムハードウェアの提供が限られている場合もあります。一方、オンプレミス環境の場合は、完全に自社でハードウェアをカスタマイズできる点が利点と言えます。

E) オンプレミス環境とのシームレスな連携
クラウドとオンプレミス環境を連携させることも可能ですが、シームレスな連携が保証されるわけではありません。一部のアプリケーションやデータはオンプレミス環境に残しておき、他のサービスをクラウド上で実行することで、ハイブリッドな環境を構築することもありますが、連携には設定やセキュリティの調整が必要になる場合があります。

【正解】
A) グローバルな拡張性
D) ネットワークの柔軟性

【解説】
クラウドの利点として、グローバルな拡張性があります。クラウドプロバイダは複数の地域やゾーンでリソースを提供するため、グローバルな拡張が可能です。また、クラウド環境ではネットワークの柔軟性も高く、クラウドプロバイダが提供するさまざまなネットワーキングオプションを活用して、アプリケーションのネットワーク構成を自由に設計できます。

【正解】
E) ネットワークのセキュリティ

【解説】
A) 高い物理的なセキュリティ
クラウドプロバイダーはデータセンターやハードウェアのセキュリティを高度に強化しています。物理的なセキュリティにおいても、クラウドはオンプレミス環境と同等か、それ以上の高いセキュリティを提供することが一般的です。

B) オンプレミス環境との緊密な統合
クラウドはオンプレミス環境との緊密な統合を実現できるため、ハイブリッドクラウド環境を構築することができます。これにより、オンプレミス環境とクラウド環境をシームレスに連携させて運用することが可能です。

C) スケーラビリティと柔軟性
クラウド環境では、必要なリソースを必要な時に必要なだけ追加・縮小できるため、ビジネスの需要に柔軟に対応できます。需要の変動に合わせてリソースをスケールアップまたはスケールダウンすることで、効率的なリソースの利用とコスト最適化が実現できます。

D) カスタマイズ性
クラウドプロバイダーは多様なサービスを提供していますが、ユーザーにはそれらのサービスを使うかどうかや、設定を行うかに完全な制御権があります。カスタムアプリケーションの作成やインフラストラクチャのカスタマイズが可能で、ビジネスの要件に合わせて独自のソリューションを構築できます。

したがって、クラウドの利点でないものは「E) ネットワークのセキュリティ」です。ただし、クラウドプロバイダーはネットワークのセキュリティにも重点を置いており、高度なセキュリティ対策を提供していますが、この選択肢は他の選択肢と比べて、クラウドの特に顕著な利点ではないと言えます。

【正解】
A) 従量課金の変動費
C) 高いパフォーマンスと低遅延
E) 高い可用性と耐障害性

【解説】
A) 従量課金の変動費
クラウドサービスは従量課金が一般的で、必要なリソースの使用分のみ課金されます。つまり、利用した分だけ支払うため、固定費を抑えることができます。これにより、ビジネスの需要変動に合わせてコストを柔軟に調整できます。

C) 高いパフォーマンスと低遅延
クラウドプロバイダーは大規模なデータセンターやハイパーシステムを運用し、高度なコンピューティングリソースを提供しています。そのため、クラウドサービスは高いパフォーマンスと低遅延を実現できます。特に、コンテンツデリバリネットワーク（CDN）を活用することで、コンテンツの高速配信が可能になります。

E) 高い可用性と耐障害性
クラウドプロバイダーは冗長化と耐障害性を重視しています。データセンターやリソースが複数の地域に分散しているため、一つの地域で障害が発生しても他の地域でサービスを継続できます。また、自動スケーリング機能を備えていることが多く、負荷が増加する際には自動的にリソースを追加するため、高い可用性が確保されます。

なお、他の選択肢についても補足しておきます。

B) セキュリティ管理の煩雑さ
クラウドプロバイダーはセキュリティに高度な対策を行っていますが、セキュリティの全てをプロバイダーに委ねるわけではありません。ユーザー側でも適切なセキュリティ対策を行う責任があります。そのため、セキュリティ管理が煩雑になる場合もありますが、一方でクラウドプロバイダーが提供するセキュリティ対策も高水準であるため、セキュリティの強化にも寄与します。

D) フィジカルサーバの管理とメンテナンス
クラウドサービスは仮想化技術を利用しており、ユーザーは物理サーバの管理やメンテナンスを直接行う必要がありません。これにより、ユーザーはサーバーの調達やハードウェアの保守にかかる負担を軽減できます。