FTTHとは

FTTHは、Fiber To The Homeの略で、FTTxのうち一般個人宅まで直接引き込まれる網構成を指します。

 FTTxには、FTTH(Fiber To The Home)、FTTC(Fiber To The Curb)、FTTB(Fiber To The Building)があります。通信事業者から各家庭(Home)、Curb(街区)、ビル(Building)までを光ファイバで接続し、高速通信を実現します。

 ADSLでは、収容局からの距離が離れていると、距離に比例して通信速度が低下しましたが、光ファイバの場合、距離による伝送損失の影響が少なく、AMラジオや電磁的なノイズ源からの干渉の影響を受けない為、安定した通信を行うことができるのが特徴です。

 光スプリッタ(光カプラ)で分岐せずに収容局とユーザ宅を1対1で接続する方式を「シングルスター方式」といい、分岐して1対Nで接続する方式を「ダブルスター方式」と呼んでいます。

現在、広まっているのは、IEEE802.3ah標準のGE-PON (Gigabit Ethernet-Passive Optical Network)です。

その接続例は、下図の通りです。

 宅内のONU(Optical Network Unit)は、電気信号と光信号を変換する機能を持つ装置で、光スプリッタと呼ばれる装置に接続されます。光スプリッタは、収容局からの光回線を分岐しています。

光スプリッタは、クロージャとも呼ばれるグレーのケース(NTTでは)の中に収容されています。

 収容局には光回線終端装置であるOLT(Optical Line Terminal)が設置されています。ONUとOLTは、対をなす装置で、光信号を伝送する媒体である光ファイバや光スプリッタは、光信号を通すだけの装置です。その為、PONという名称が使われています。

PON(Passive Optical Network)のPassiveは、「受動的」という意味です。

OLTの先にインタネットが接続されています。

FTTHの工事

 光ファイバー導入時には、家の壁に穴を開ける必要があります。しかし、最近では、光ファイバケーブルが改良されており、配管が通っている建物の場合、その配管へ光ファイバケーブルを通すことで、穴を開けるケースが少なくなっています。

 また、エアコンの室外機の配管が既にある場合、その室外機への配管へ光ファイバケーブルを通すことで、わざわざ家の穴を開けなくて済むケースもあります。

 FTTHで、工事費が発生するので注意が必要です。ADSLでも工事が必要ですが、ADSLの工事は、収容局内における工事が基本で、自宅での工事は基本的にはありません。固定電話を既に契約している場合には、既に屋内に電話線が配線されていて、差し込み口が壁にあるからです。

 FTTHでは、工事が大がかりになります。それは、光ファイバケーブルを自宅内に引き込む必要があるからです。工事費として、20,000~30,000円します。

 工事費無料の場合もありますが、それは、あくまで基本工事で済んだ場合です。エアコンを購入した場合、基本工事で済まない場合には、追加料金が必要ですよね。FTTHにおいても、基本工事で済まない場合は、追加料金が発生するケースがあります。

 仮に、基本工事が無料で済んだとしても、解約する際に、取り外し工事が必要になります。その際の費用は、自己負担のケースがありますから、契約する際にはよく確認してから契約を行いましょう。