回線交換方式

通信するには、大きく分けると2つの方法があります。

  • 回線交換方式
  • パケット交換方式

まず、「回線交換方式」について説明します。

宛先にデータが届くようにするには、配送するための仕組みが必要です。

 手紙を送る時、皆さん、宛先(相手の住所)を書きますよね!それは、宛先情報がないと、郵便屋さんが、どこの誰に配達したらよいのか、困ってしまい、配達できないからです。

ところが、宛先までが、一本道だったらどうでしょうか?

データを送るだけで、宛先にデータを送れそうですね!

 パソコンAからパソコンBにデータを送る場合を考えてみます。パソコンAは、データを宛先に送るだけで、パソコンBにデータを届けることが出来そうです!

 回線交換方式では、宛先まで一本道なので、宛先情報が必要ありません。データを送るだけで宛先に送ることができます。

 この仕組みは、ハードウェアで提供されます。電話の通信方式を想像すれば、理解しやすいと思います。電話網では、交換機によって宛先に接続されます。

※IP電話は違います。

 回線交換では、データに宛先情報である荷札を付ける必要がないため、単純な手順になりますが、回線を占有してしまうと欠点があります。電話を想像してみて下さい。電話したい相手が、通話中だった場合、電話はつながりませんよね!

同時に接続を確立するには、複数の回線を用意しなければなりません。

パケット交換方式

次に、「パケット交換方式」について説明します。

宛先にデータが届くようにするには、配送するための仕組みが必要です。

 手紙を送る時、皆さん、宛先(相手の住所)を書きますよね!それは、宛先情報がないと、郵便屋さんが、どこの誰に配達したらよいのか、困ってしまいますよね!

通常、手紙を送る時には、次の情報を書きます。

  • 宛先の住所
  • 自分の住所

郵便のシステムは、この情報を使って配送されます。

  • 手紙は、郵便屋さんが、宛先の住所を見て、相手に届けてくれます。
    ※宛先の住所が間違いだった場合は、自分の住所を見て、手紙は、配達不能で戻されます。
  • 手紙を受け取った相手は、誰が手紙を送ってくれたのかを見て、返事を書きます。

パケット交換方式では、この住所情報を頼りに、データを配送するのです。

パソコンAからパソコンBにデータを送る場合を考えてみます。

 パソコンAは、データを小さく、小分けにし、荷札(住所情報)を付けて送ります。パソコンBに届けられたデータは、パソコンBで、元のデータに組み立てられます。

 このように、パケット交換方式では、1つの回線を複数の端末で共有することができます。しかし、1つの回線にたくさんの端末を接続すると、回線内にデータがあふれてしまい、輻輳が発生しやすくなるという欠点があります。

 しかし、1つの回線を複数の端末で共有できることは、回線を占有する回線交換に比べた場合のメリットであるといえます。