ピアツーピアの仕組み

 ピアツーピア型のネットワークなのか、クライアントサーバ型のネットワークなのかを簡単に説明するとネットワーク内にサーバを置くか置かないかで決まります。

ネットワーク内にサーバを置かない方式が、ピアツーピア型のネットワークです。

SOHOや小さなオフィスなどのコンピュータの台数の少ないネットワークで、このピアツーピア型が向いています。

 ピアツーピア型では、全てのコンピュータ同士が対等に通信を行います。ネットワーク上には、サービスを供給する側と受ける側が存在します。

 この方式では、役割を固定せずに状況に応じて、あるときはサービスを供給する側、あるときは、サービスを受ける側になります。

 手軽にネットワークを利用することができますが、この方式では、ネットワークの規模が大きくなってくると、運用管理が難しくなってきます。ネットワークの使用率が上がったり、セキュリティの管理が煩雑になってしまいます。

 特に、ユーザ数が多くなってくるとセキュリティの基本である「どのユーザにどの資源を許可して、どの資源を許可しないのか」を管理するのが難しくなります。

クライアントサーバの仕組み

 大規模で、複雑なネットワークも部分的に見てゆけば、基本的には2台のパソコン(機器)との通信で成り立っています。

 通常、片方のパソコンのアプリケーションは、いつでも通信が行えるように起動した状態で待機しています。もう一方のパソコンのアプリケーションが、あらかじめ起動しているアプリケーションを呼び出し、呼び出された側が応答を返すことで通信を行います。

 この方式を、クライアントサーバ型と言い、ネットワークのサービスプログラムの多くは、この方式で動作しています。クライアントサーバ型では、サービスを供給する側と受ける側を固定して、役割を明確にしています。

 この形式では、ユーザアカウントを一元管理することができます。セキュリティ管理で重要な「どのユーザにどの資源を許可して、どの資源を許可しないのか」です。

 ユーザー数が多くなってくると、この管理が煩雑になってきますが、一元管理できるこの方式では、管理が容易になります。ネットワークの規模が大きく、セキュリティ管理、ファイルの管理、プリンターの共有、電子メールの管理を一元管理したい場合にこの方式は有用です。