SHARP X68000 Pro

SHARP X68000 Pro

 SHARP X68000 Proは、SHARPが1991年に発売したX68000シリーズの上位モデルです。X68000 Proは、X68000の性能をさらに向上させ、新たな機能を追加したバージョンとなっています。

以下にX68000 Proの主な特徴を解説します。

  1. ハードウェア
     X68000 Proは、X68000の性能を引き継いでいます。CPUには68000シリーズの16ビットCPUを搭載し、初期モデルでは10MHzのクロック速度でしたが、後に16MHzの高速モデルも登場しました。メモリ容量も初期モデルで2MBから4MBまで搭載可能であり、後のモデルでは8MBや16MBまで拡張できるようになりました。
  2. グラフィックス
     X68000 Proは、高度なグラフィックス表示能力を持っています。解像度は初期モデルと同様に512×512ピクセルであり、4096色のパレットをサポートしています。また、後のモデルでは1024×1024ピクセルの解像度や65536色のカラーパレットなど、より高品質なグラフィックス表現が可能となりました。
  3. サウンド
     X68000 Proは、高品質な音声出力機能を搭載しています。FM音源チップやPCM音源チップに加えて、一部のモデルでは16ビットのDAコンバーターも搭載しており、よりクリアで豊かな音楽や効果音の再生が可能となりました。
  4. ストレージ
     X68000 Proは、フロッピーディスクドライブを標準搭載しています。初期モデルでは2HDフロッピーディスクに対応しており、高速で信頼性のあるデータアクセスが可能となりました。また、一部のモデルではハードディスクドライブの接続も可能で、大容量のデータストレージが実現しました。
  5. インターフェース
     X68000 Proは、多くのインターフェースを備えています。RS-232Cポート、プリンターポート、ジョイスティックポート、マウスポートなどがあり、周辺機器の接続が容易に行えます。また、拡張スロットも搭載されており、ユーザーがさまざまな拡張カードやインターフェースを追加することができます。
  6. SCSIインターフェース
     X68000 Proには、SCSI(Small Computer System Interface)インターフェースが追加されました。これにより、高速なデータ転送が可能な外部ストレージデバイスやCD-ROMドライブなどの機器を接続することができました。これは、データの高速な読み込みやストレージ容量の拡張などに活用されました。
  7. ソフトウェア対応
     X68000 Proは、新しいハードウェア仕様に対応するために、ソフトウェア面でも改良が行われました。新しいBIOSやドライバーが提供され、X68000 Pro専用のソフトウェアが開発されるようになりました。また、一部の既存のソフトウェアもX68000 Proの機能に最適化され、より高性能な動作やグラフィックス表現が可能となりました。
  8. デザイン
     X68000 Proは、先代モデルと比較して外観デザインが変更されています。シャープのロゴが刻印された新しいデザインの筐体が採用され、よりスタイリッシュでモダンな印象を与えました。

 X68000 Proは、X68000シリーズの最高性能モデルとして位置づけられており、特にゲーム開発者やゲーム愛好家にとって魅力的な選択肢となりました。高性能なハードウェアと優れたグラフィックス・サウンド機能により、さまざまなゲームや音楽制作ソフトウェアが開発され、その中には今でも高い評価を受ける作品が多くあります。X68000 Proは、レトロゲームファンやコレクターの間でも高い評価を受けています。