SHARP X68000

SHARP X68000

 SHARP X68000は、1987年にシャープ(SHARP)が発売した日本の16ビットパーソナルコンピュータです。その名前は、68000シリーズのCPUを搭載していることに由来しています。X68000は、高性能なハードウェアと豊富なゲームラインナップで知られており、特にゲーム愛好家や音楽制作者の間で人気を博しました。

以下にX68000の主な特徴を解説します。

  1. ハードウェア
     X68000は、Motorolaの68000シリーズCPUを搭載しています。初期モデルでは10MHzのクロック速度でしたが、後に16MHzや25MHzの高速モデルも登場しました。メモリ容量は初期モデルで1MBから4MBまで搭載可能であり、後にユーザーが拡張することで最大12MBまで拡張できました。
  2. グラフィックス
     X68000は、優れたグラフィックス機能を備えています。初期モデルでは解像度を512×512ピクセルまでサポートし、4096色のパレットを持つビットマップグラフィックスを表示することができました。後のモデルでは、1024×1024ピクセルの解像度や32768色のカラーパレットなど、より高度なグラフィックス表現が可能となりました。
  3. サウンド
     X68000は、豊かな音声出力を実現するためにFM音源チップやPCM音源チップを搭載しています。これにより、高品質な音楽や効果音の再生が可能となりました。また、ユーザーが拡張ボードを追加することでさらに音声機能を拡張することもできました。
  4. ストレージ
     X68000は、高速なフロッピーディスクドライブを搭載しています。初期モデルでは5.25インチの2DDフロッピーディスクを使用し、後のモデルでは2HDフロッピーディスクに対応しました。また、一部のモデルではハードディスクドライブの搭載も可能で、大容量のデータストレージが可能となりました。
  5. インターフェース
     X68000は、豊富なインターフェースを備えています。RS-232Cポート、プリンターポート、ジョイスティックポート、マウスポートなどがあり、周辺機器の接続が容易に行えました。また、拡張スロットも搭載されており、ユーザーがさまざまな拡張カードやインターフェースを追加することができました。

 X68000は、その高性能なハードウェアと優れたグラフィックス・サウンド機能により、多くのゲーム開発者やゲーム愛好家に支持されました。多くの優れたゲームタイトルや音楽制作ソフトウェアが開発され、その中には今でも高い評価を受ける作品もあります。X68000は、日本のパソコン市場において独自の存在感を持つシステムとなり、レトロゲームファンやコレクターの間でも人気があります。