SHARP X1 Turbo

SHARP X1 Turbo

 SHARP X1 Turboは、1984年にシャープ(SHARP)から発売されたPC-SHARP X1シリーズの後継機種であり、性能向上と新機能の追加がなされたモデルです。

以下にX1 Turboの主な特徴を解説します。

  1. ハードウェア
     X1 Turboは、初代X1に比べて性能が向上しています。CPUには8ビットのZ80互換CPUを搭載し、クロック速度は初代X1の4MHzから7.16MHzに向上しました。これにより、処理速度が高速化され、ソフトウェアの実行がスムーズに行えました。また、メモリ容量も128KBから256KBに増加し、一部のモデルでは512KBや1MBまで拡張可能でした。
  2. グラフィックス
     X1 Turboは、カラーグラフィックスの表示能力が強化されました。初代X1ではモノクロや限定的なカラーパレットでしたが、X1 Turboでは4096色(16色×256パレット)のカラーパレットが利用可能となりました。解像度は320×200ピクセルから640×200ピクセルに向上し、より詳細な表示が可能となりました。さらに、X1 Turbo Zというモデルでは、1024×512ピクセルの高解像度モードもサポートしていました。
  3. サウンド
     X1 Turboは、FM音源チップに加えて、PSG(Programmable Sound Generator)を搭載しています。これにより、豊かな音楽表現や効果音の再生が可能となりました。また、一部のモデルでは、追加の音声チップやADPCM(Adaptive Differential Pulse Code Modulation)再生機能も搭載され、より高品質な音声の再生ができました。
  4. ストレージ
     X1 Turboは、5.25インチのフロッピーディスクドライブを標準搭載しており、ソフトウェアの読み込みや保存が容易に行えました。また、一部のモデルではハードディスクドライブの接続が可能であり、大容量のデータストレージが可能となりました。
  5. インターフェース
     X1 Turboは、豊富なインターフェースを備えています。RS-232Cやプリンターポート、ジョイスティックポートなどがあり、周辺機器の接続が容易に行えました。さらに、一部のモデルでは拡張スロットが追加され、拡張性が向上しました。

 X1 Turboは、その高性能と豊富な機能により、特にゲーム開発者やゲーム愛好家の間で人気を博しました。多くの優れたゲームやソフトウェアが開発され、その中には今でも評価されるクラシックな作品も存在します。また、X1 Turboはプログラミング教育やビジネス利用にも広く使用されました。

X1 Turboは、X1シリーズの中でも特に成功したモデルであり、日本のパソコンの黎明期において重要な役割を果たしました。