PC-8801mkII

PC-8801mkII

 PC-8801mkIIは、1984年にNEC(日本電気)が発売したパーソナルコンピュータ(PC)のモデルです。PC-8801シリーズは、日本におけるパソコンの普及に大きな役割を果たしました。

PC-8801mkIIは、PC-8801の後継機種であり、多くの改良が施されています。主な特徴は以下の通りです。

  1. ハードウェア
     PC-8801mkIIは、8ビットのCPUであるNECのμPD780Cを搭載しています。メモリ容量は64KBから128KBに拡張され、グラフィックスやサウンドの性能も向上しました。また、ディスプレイは640×200ピクセルの表示が可能で、従来のテレビ画面と比べて高精細な表示が可能となりました。
  2. ソフトウェア
     PC-8801mkIIは、独自のオペレーティングシステム(OS)であるN88-BASICを搭載しています。N88-BASICは、BASICプログラミング言語をサポートしており、簡単なプログラムの作成や実行が可能です。また、ディスクドライブを搭載しており、ソフトウェアのインストールや保存が容易になりました。
  3. ゲーム機能
     PC-8801mkIIは、ゲーム機としても人気を集めました。高性能なグラフィックスとサウンド機能を備えており、様々なジャンルのゲームが開発されました。特に、アドベンチャーゲームやロールプレイングゲーム(RPG)が盛んに制作され、一世を風靡しました。

 PC-8801mkIIは、その後もさまざまなバリエーションが発売され、日本のパソコン市場で一定のシェアを持ち続けました。その後、16ビットパソコンの登場や、PC-9800シリーズの台頭により、PC-8801シリーズの人気は下火になりましたが、日本のパソコン文化の形成に重要な役割を果たした機種として、多くの人々に懐かれています。

PC-8801mkIIには、さまざまな周辺機器や拡張機能が存在しました。

  1. ディスクドライブ
     PC-8801mkIIは、ディスクドライブを内蔵しており、5.25インチのフロッピーディスクを使用してソフトウェアを読み込んだり保存したりすることができました。ディスクドライブは、通常2台搭載されており、デュアルドライブとして使用することができました。
  2. プリンター
     PC-8801mkIIは、プリンターとの接続をサポートしていました。主にドットマトリクスプリンターが使用され、テキストやグラフィックスの印刷が可能でした。
  3. ジョイスティック
     ゲームプレイのために、PC-8801mkIIはジョイスティックの接続をサポートしていました。さまざまなゲームで利用され、よりリアルな操作感を提供しました。
  4. 拡張スロット
     PC-8801mkIIには、拡張スロットが搭載されており、さまざまな拡張機能や周辺機器を接続することができました。メモリの増設やハードディスクドライブの追加など、より高度な機能を実現することができました。

 PC-8801mkIIは、その後のPC-8801シリーズのモデルにも影響を与え、さらなる改良や機能追加が行われました。PC-8801mkII SRやPC-8801mkIISRなど、後継機種も発売されました。これらのモデルは、より高速なプロセッサや大容量のメモリを搭載し、さらなるパフォーマンス向上が図られました。

 PC-8801シリーズは、日本のパソコン市場での成功を受けて、ゲームやソフトウェアの開発が盛んに行われました。多くの名作ゲームやプログラムがPC-8801向けにリリースされ、当時のユーザーにとっては特別な思い出の詰まった機種となりました。