FUJITSU FM TOWNS

FUJITSU FM TOWNS

 FUJITSU FM TOWNS(エフエムタウンズ)は、富士通(FUJITSU)が1989年に発売した日本のパーソナルコンピュータシリーズです。FM TOWNSは、高性能なハードウェアと先進的なマルチメディア機能を搭載し、ゲームやマルチメディア制作に適したコンピュータとして注目されました。

以下にFM TOWNSの主な特徴を解説します:

  1. ハードウェア
     FM TOWNSは、32ビットのCPUであるIntel 80386を搭載しています。初期モデルでは16MHzのクロック速度でしたが、後のモデルでは20MHzや25MHzなどの高速モデルも登場しました。メモリ容量は初期モデルで2MBから始まり、後のモデルでは4MBや8MB、16MBと拡張されました。
  2. グラフィックス
     FM TOWNSは、高度なグラフィックス表示能力を持っています。初期モデルでは解像度を640×480ピクセルまでサポートし、最大4096色のパレットを持つビットマップグラフィックスを表示することができました。後のモデルでは、さらに高解像度やフルカラー表示などの機能が追加されました。
  3. サウンド
     FM TOWNSは、豊富なサウンド機能を備えています。初期モデルではPSG(Programmable Sound Generator)とFM音源を搭載し、音楽や効果音の再生が可能でした。後のモデルでは、16ビットのPCM(Pulse Code Modulation)サウンドやCD音源をサポートし、より高品質な音声表現が可能となりました。
  4. CD-ROMドライブ
     FM TOWNSは、初めてCD-ROMドライブを標準搭載したパーソナルコンピュータとして知られています。CD-ROMドライブにより、ゲームやマルチメディアソフトウェアの大容量データを高速に読み込むことができました。また、CDオーディオ再生やCD+G(CD+Graphics)にも対応しており、多様なメディア体験が可能となりました。
  5. インターフェース
     FM TOWNSは、多くのインターフェースを備えています。マウスポート、ジョイスティックポート、シリアルポート、パラレルポート、オーディオ入出力ポートなどがあり、周辺機器の接続が容易に行えます。また、拡張スロットや拡張ユニットを追加することによって、さまざまな機能の拡張が可能です。

 FM TOWNSは、ゲーム開発者やマルチメディア制作者の間で人気を博しました。豊富なゲームライブラリや高品質なマルチメディアソフトウェアが提供され、美麗なグラフィックスや高音質なサウンドによる没入感のある体験が楽しめました。また、FM TOWNSはビジネスユーザーにも利用され、ビジネスソフトウェアやデスクトップパブリッシングなどの用途にも活用されました。