PoEの種類:PoE・PoE+・PoE++
PoEの種類:PoE・PoE+・PoE++

Power over Ethernet(PoE)は、イーサネットケーブルを通じてデータと電力を同時に転送する技術です。これにより、ネットワークデバイス(例:IP電話機、ワイヤレスアクセスポイント、ネットワークカメラ)を電源ソケットに接続する必要なく、単一のケーブルで給電することができます。以下では、主要なPoEの規格であるPoE、PoE+、およびPoE++について詳しく説明します。
- PoE(Power over Ethernet)
PoEは、IEEE 802.3af規格に基づいています。この規格では、最大15.4ワット(13ワットの有効電力)の電力をデバイスに供給できます。これは、一般的なIP電話機やワイヤレスアクセスポイントなどの低電力デバイスに適しています。PoEでは、ケーブルの中のデータ線と電力線を使用して電力を伝送します。 - PoE+(Power over Ethernet Plus)
PoE+は、IEEE 802.3at規格に基づいています。この規格では、最大30ワット(25.5ワットの有効電力)の電力をデバイスに供給できます。これにより、より多くの電力を必要とするデバイス(例:パワフルなIP電話機、ワイヤレスアクセスポイント、ネットワークカメラ)に対応することができます。PoE+も、データ線と電力線の両方を使用して電力を伝送します。 - PoE++(4PPoEまたはType 4 PoE)
PoE++は、IEEE 802.3bt規格に基づいています。この規格では、最大60ワット(51ワットの有効電力)または最大100ワット(71ワットの有効電力)の電力をデバイスに供給できます。これにより、より高出力のデバイスやパワフルなデバイス(例:ビデオ会議システム、点灯照明)を給電できます。PoE++は、すべての4対のケーブル(データ線および予備線)を使用して電力を伝送します。
上記の規格は、デバイスが対応している必要があります。ポートにはPoEまたはPoE+またはPoE++のいずれかのマークが表示されている必要があります。また、PoEとPoE+は、通常のイーサネットケーブル(Cat5eまたはCat6)で動作しますが、PoE++はより高品質のケーブル(Cat6aまたはCat7)が推奨されます。
これらの規格は、異なる電力要件を持つデバイスに対応するために開発されました。PoEの進化により、より多くのデバイスが単一のケーブルで給電されるようになり、ネットワークの柔軟性と拡張性が向上しました。
以下にPoE、PoE+、およびPoE++の特徴を表にまとめます。
最大供給電力 | 有効電力 | 使用するケーブル | 対応デバイスの例 | |
---|---|---|---|---|
PoE | 15.4ワット | 13ワット | Cat5eまたはCat6 | IP電話機、ワイヤレスアクセスポイント |
PoE+ | 30ワット | 25.5ワット | Cat5eまたはCat6 | パワフルなIP電話機、ワイヤレスアクセスポイント、ネットワークカメラ |
PoE++ | 60ワットまたは100ワット | 51ワットまたは71ワット | Cat6aまたはCat7 | ビデオ会議システム、点灯照明、高出力デバイス |
上記の表は、各規格の一般的な特徴を示していますが、実際の製品によってはそれぞれの規格の最大値をサポートしない場合もあります。デバイスとスイッチの互換性を確認するためには、製品の仕様書やマニュアルを参照することが重要です。