IEEE802.1qのフレームフォーマット

IEEE802.1qのフレームフォーマット

 IEEE 802.1Qは、VLANのタグ付きフレームのフォーマットを定義しています。以下に、IEEE 802.1Qのフレームフォーマットについて詳しく解説します。

 IEEE 802.1Qのフレームフォーマットは、Ethernetフレームのヘッダ部分にVLANタグを追加する形式で構成されています。VLANタグは12ビットのフィールドで、フレームのヘッダに追加されます。

IEEE 802.1Qフレームの構造は次のとおりです:

  1. プリアンブルとSFD (Start Frame Delimiter)
    IEEE 802.3 Ethernetフレームと同様に、フレームの先頭にはプリアンブルとSFDが配置されます。
  2. 送信先MACアドレス (Destination MAC Address) と送信元MACアドレス (Source MAC Address)
    宛先と送信元のMACアドレスが含まれます。
  3. タグ付きフレーム識別子 (Tagged Frame Identifier)
    IEEE 802.1Qフレームであることを示すために、16ビットのタグ付きフレーム識別子が配置されます。
  4. タイプまたは長さ (Type or Length)
    通常のEthernetフレームと同様に、このフィールドはプロトコルタイプまたはフレームの長さを示します。
  5. タグコントロール情報 (Tag Control Information)
     タグコントロール情報は16ビットのフィールドで、VLANのプライオリティ、CFI (Canonical Format Identifier)、およびVLAN IDが含まれます。プライオリティは3ビットで表され、トラフィックの優先度を示します。CFIは1ビットで、MACアドレスの表現形式を示します(通常は0)。VLAN IDは12ビットで、タグが付与されるVLANのIDを示します。
  6. ペイロード (Payload)
    通常のEthernetフレームのデータ部分です。タグ付きフレームでは、この部分にVLANタグを含むデータが配置されます。
  7. フレームチェックシーケンス (Frame Check Sequence)
    フレームの整合性を検証するためのCRC (Cyclic Redundancy Check)値です。

 IEEE 802.1Qフレームの重要な要素は、タグコントロール情報とペイロードの間に挿入されるVLANタグです。このタグには、VLANのプライオリティ、CFI、およびVLAN IDが含まれ、フレームがどのVLANに所属しているかを示します。

 VLANタグの付加により、ネットワークデバイスはタグ付きフレームを受信し、タグを解釈して適切なVLANに振り分けることができます。これにより、異なるVLAN間のトラフィックを効果的に制御し、セグメンテーションを実現することができます。

 タグコントロール情報(Tag Control Information)は、IEEE 802.1Qフレーム内のVLANタグの情報を表します。以下は、タグコントロール情報の構造を表に示したものです。

ビット位置ビット数フィールド名説明
153PRI優先度(Priority)
131CFIカノニカル形式指示子(Canonical Format Indicator)
0-1112VLAN IDVLAN識別子(VLAN Identifier)
タグコントロール情報

上記の表は、タグコントロール情報の各フィールドとその説明を示しています。

  • PRI (Priority)
    3ビットで、VLANフレームの優先度を表します。優先度の値は0から7までの範囲で指定されます。
  • CFI (Canonical Format Indicator)
     1ビットで、MACアドレスのカノニカル形式を示します。このビットは通常、イーサネットフレーム内で使用されるMACアドレスの形式を示すために予約されています。
  • VLAN ID
     12ビットで、VLAN識別子(VLAN Identifier)を表します。これは特定のVLANに関連付けられた識別子であり、ネットワーク上のVLANのセグメンテーションを実現します。

タグコントロール情報は、IEEE 802.1Qフレーム内のタグフィールドの一部であり、VLAN識別子や優先度などの情報を保持します。