MACアドレスのマルチキャストとIPv4アドレスの対応

MACアドレスのマルチキャストとIPv4アドレスの対応

 MACアドレスのマルチキャストとIPv4アドレスは、ネットワーク上のマルチキャスト通信を実現するために関連付けられています。

 IPv4アドレスは、32ビットの数値で表され、通常はドットで区切られた10進数の形式で表記されます。IPv4アドレスは、ネットワーク上のデバイスを一意に識別するために使用されます。

 マルチキャストは、1つの送信元から複数の宛先デバイスにデータを同時に送信するためのメカニズムです。IPv4アドレスのうち、224.0.0.0から239.255.255.255までの範囲は、マルチキャストアドレスに割り当てられています。これらのアドレスは、マルチキャスト通信のために予約されており、特定のマルチキャストグループを識別します。

 マルチキャストアドレスとMACアドレスの関連付けには、特定のパターンがあります。MACアドレスの最初の24ビット(3オクテット)は、固定の値である「01:00:5E」です。残りの23ビット(1オクテットと1ビット)は、IPv4アドレスのマルチキャストアドレスの下位23ビットと対応します。

 具体的には、IPv4マルチキャストアドレスの下位23ビットを取り出し、下位23ビットを右詰めにしてMACアドレスの最後の1オクテットに配置します。このプロセスによって、特定のIPv4マルチキャストアドレスに対応する一意のMACアドレスが生成されます。

 例として、IPv4マルチキャストアドレス「239.1.2.3」を考えてみましょう。このアドレスの下位23ビットは「0000 0001 0000 0010 0011」となります。これをMACアドレスの最後の1オクテットに配置するため、MACアドレスは「01:00:5E:01:02:03」となります。

 このようにして、IPv4マルチキャストアドレスとMACアドレスは関連付けられ、マルチキャスト通信に使用されます。マルチキャスト送信元は、対応するMACアドレスにデータを送信することで、ネットワーク上のマルチキャストグループに参加しているデバイスに対してデータを配信します。

MACアドレスのマルチキャストの対応を具体的な例で説明します。

IPv4マルチキャストアドレスMACアドレス
239.1.2.301:00:5E:01:02:03
224.0.0.101:00:5E:00:00:01
224.0.0.201:00:5E:00:00:02
224.0.0.301:00:5E:00:00:03
239.255.255.25501:00:5E:7F:FF:FF
MACアドレスのマルチキャストの対応

 上記の例では、IPv4マルチキャストアドレスとMACアドレスの対応関係を示しています。各行には、IPv4マルチキャストアドレスとそれに対応するMACアドレスが記載されています。

 上位25ビットが「00000001:00000000:01011110:0」(16進数で「01:00:5E」の後に「0」が1つ)に固定され、下位23ビットはIPv4アドレスの23ビットをコピーして作成されていることが分かります。