イーサネットトレーラー

イーサネットトレーラー

 イーサネットヘッダに加えて、イーサネットフレームの末尾にはイーサネットトレーラ(Ethernet Trailer)と呼ばれるデータ構造が存在します。イーサネットトレーラは、イーサネットフレームの整合性を確保するための情報を提供します。以下に、イーサネットトレーラの主な要素を説明します。

  1. フレームチェックシーケンス(FCS)
     イーサネットトレーラの最後に位置するフィールドで、イーサネットフレーム全体の誤り検出に使用されます。FCSは、イーサネットフレームのデータ部分を対象にCRC(Cyclic Redundancy Check)アルゴリズムを適用して計算されます。受信側は、FCSを再度計算し、送信側からのFCSと比較することでデータの誤りや破損を検出します。もしFCSが一致しない場合、受信側はデータの再送要求などの適切な対処を行います。
  2. パディング(Padding)
     イーサネットフレームが最小フレームサイズ(64バイト)に満たない場合、パディングが追加されます。パディングは、フレームの末尾に追加されるダミーデータで、フレームサイズを最小限の要件に達するために使用されます。パディングは、データ部分が小さなサイズの場合に必要となることがあります。

 イーサネットトレーラは、主に誤り検出とフレームサイズの調整に関与します。FCSによる誤り検出は、イーサネットフレームが送信時や受信時にデータの正確性を確保するために重要です。また、パディングは最小フレームサイズの要件を満たすために使用され、ネットワークデバイスの互換性を確保します。

 なお、イーサネットトレーラは一部のイーサネットフレームで使用されるものであり、一般的なイーサネットフレームには含まれない場合もあります。