CRC(Cyclic Redundancy Check)

CRC(Cyclic Redundancy Check)

 CRC(Cyclic Redundancy Check)は、データの誤り検出に使用されるエラーチェックコード(Error Checking Code)の一種です。データのビット列に対して一意のチェックサム値を生成するための数学的手法です。

 CRCは、特定の生成多項式(Generating Polynomial)を使用して計算されます。データ送信側と受信側は、同じ生成多項式を使用して計算を行うことで、一貫性のあるチェックサム値を生成します。

以下に、CRCの主な特徴と動作手順を説明します。

  1. 多項式生成
     CRCの計算には、生成多項式が必要です。生成多項式は、エラーチェックの性能と検出能力を決定します。一般的に、CRC-32やCRC-16など、異なるビット長を持つCRCが存在します。生成多項式は、ビットの位置に対応する係数を持つ多項式として表現されます。
  2. データのビット列とチェックサムの計算
     データ送信側は、送信するデータのビット列に対してCRC計算を行います。CRC計算は、データのビット単位でのXOR(排他的論理和)演算を使用して行われます。データの各ビットに対して、現在のCRC値と係数をXOR演算します。この計算はビット列の先頭から末尾まで繰り返され、最終的にCRC値が得られます。
  3. チェックサムの付加
     CRC計算によって得られたCRC値は、データにチェックサムとして追加されます。データの末尾にチェックサムビット列を追加することで、データとチェックサムが一体化した形式のデータが生成されます。
  4. データの受信と誤り検出
     データの受信側は、受信したデータのCRC計算を行います。受信側は、受信したデータのビット列に対して同じ生成多項式を使用してCRC計算を行います。計算されたCRC値を受信側のCRC値と比較し、一致しない場合はデータの誤りが検出されます。

 CRCは、ビット単位のXOR演算を使用して効率的に計算が行われ、誤り検出能力が高いという特徴があります。CRCはネットワーク通信やデータストレージなど、さまざまな応用分野で広く使用されています。生成多項式の選択やCRCのビット長によって、検出できる誤りの種類や検出率が異なることに注意が必要です。