無線LANの通信方式

無線LANの通信方式

無線LANと有線LANの通信方式にはいくつかの重要な違いがあります。以下に無線LANの通信の特徴を詳しく説明します。

  1. メディアアクセス制御方式
     無線LANでは、CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance)と呼ばれるメディアアクセス制御方式が使用されます。CSMA/CAは、チャネルの利用状況を検知し、データ衝突を回避するための手順を経て通信が行われます。一方、有線LANではCSMA/CD(Carrier Sense Multiple Access with Collision Detection)が使用され、衝突が発生した場合には検知し、衝突が解消されるまで再送が行われます。
  2. 半二重通信
     無線LANでは、送信と受信が同じ周波数帯域(チャネル)を使用するため、同時に送受信を行うことができません。これを半二重通信と呼びます。つまり、端末は送信モードと受信モードを切り替える必要があります。一方、有線LANでは、物理的なケーブルにより送信と受信を同時に行うことができるため、全二重通信が可能です。
  3. 電波伝搬特性の影響
     無線LANは電波を介して通信を行うため、電波の伝搬特性による影響を受けます。障害物や距離の影響により、電波の強度や品質が変動する場合があります。これにより、信号の減衰や遮蔽が発生し、通信の品質や距離に制約が生じることがあります。有線LANでは、物理的なケーブルで信号を伝送するため、伝搬特性の影響はほとんどありません。
  4. 帯域幅の制約
     無線LANでは、使用できる周波数帯域が限られているため、帯域幅に制約があります。帯域幅の制約は、データ転送速度や同時に処理できるデータ量に影響を与えます。有線LANでは、ケーブルの帯域幅に制約がある場合もありますが、一般的には高速なデータ転送が可能です。

 これらの特徴により、無線LANでは信号の衝突回避や電波伝搬特性の制約などがあり、有線LANと比較して一部制約が存在します。しかし、無線LANの利点としては、モビリティや柔軟性が挙げられます。無線LANを使用することで、ワイヤレスなネットワーク接続が可能となります。