UTPケーブルとSTPケーブル

UTPケーブルとSTPケーブル

 UTPケーブル(Unshielded Twisted Pair Cable)とSTPケーブル(Shielded Twisted Pair Cable)は、ネットワークケーブルの種類を表す用語です。これらのケーブルは、イーサネットや電話回線などのデータ通信に使用されます。以下にそれぞれのケーブルについて詳しく説明します。

STPケーブル
  1. UTPケーブル
     UTPケーブルは、一般的なネットワークケーブルの形態であり、無鎧(アンシールド)のツイストペア構造を持ちます。ツイストペアとは、2本の導体(通常は銅)が互いにねじり合わせられている構造です。このねじりにより、電磁ノイズの影響を軽減し、信号のクロストーク(干渉)を抑える効果があります。

 UTPケーブルは、カテゴリ5(Cat5)、カテゴリ5e(Cat5e)、カテゴリ6(Cat6)、カテゴリ6a(Cat6a)、カテゴリ7(Cat7)など、さまざまな規格が存在します。これらの規格によって、転送速度、帯域幅、伝送距離のサポートなどが異なります。UTPケーブルは一般に柔軟で取り扱いやすく、低コストなため、一般的な家庭やオフィスのネットワークに広く使用されています。

  1. STPケーブル
     STPケーブルは、シールド(Shield)されたツイストペア構造を持つケーブルです。ツイストペアはUTPケーブルと同様ですが、STPケーブルにはさらに金属シールドが付加されています。このシールドは電磁波や外部のノイズからケーブル内の信号を保護し、クロストークの問題をより効果的に抑制します。

 STPケーブルは、高い電磁ノイズや干渉の環境で使用されることがあります。例えば、工場、産業環境、高電圧装置の周りなどです。STPケーブルはUTPケーブルよりも信号の品質と耐ノイズ性能が高いですが、厚みがあり、取り扱いがやや複雑です。そのため、適切なインストールと接地が必要です。

 UTPケーブルとSTPケーブルは、ネットワーク環境や要件に応じて適切に選択する必要があります。一般的に、一般家庭やオフィスのネットワークではUTPケーブルが広く使用され、電磁ノイズの多い環境や高速なデータ転送が必要な場合にはSTPケーブルが選択されます。ネットワークの信頼性とパフォーマンスを向上させるために、適切なケーブルタイプを選択することが重要です。

以下にUTPケーブルとSTPケーブルの比較表を示します。

UTPケーブルSTPケーブル
シールドなし金属シールドによる保護
抵抗性電磁干渉やノイズに対して弱い電磁干渉やノイズに対して高い耐性
伝送距離一般的に最大100メートル一般的に最大100メートル
インストールの容易さ柔軟で取り扱いやすいSTPケーブルよりも厚みがあり、取り扱いがやや複雑
価格低コスト高価
使用環境一般的な家庭やオフィス環境で一般的に使用電磁的干渉が高い環境で使用される
対応する規格Cat5、Cat5e、Cat6、Cat6a、Cat7などCat6、Cat6a、Cat7など
UTPケーブルとSTPケーブルの比較

 上記の表は、UTPケーブルとSTPケーブルの主な違いを示しています。UTPケーブルは一般的な家庭やオフィス環境で広く使用され、低コストで取り扱いやすい一方、STPケーブルは電磁干渉の影響が高い環境で使用され、金属シールドによる保護が提供されますが、価格が高く取り扱いがやや複雑です。どちらのケーブルを選択するかは、具体的なネットワーク環境や要件に基づいて判断する必要があります。